栽培も簡単♪にんにく(大蒜)の栄養価と効果効能★保存方法

料理の風味付けに、スタミナ食に欠かせないガーリック(にんにく)も、ハーブの一種。あの独特の匂いは、硫化アリルという成分が主体です。
あまりにも身近な存在ですが、かえって知られていない面が多いのも事実。にんにくとは、どのような植物でしょうか。

特徴

にんにくは、ヒガンバナ科(旧分類ではユリ科)ネギ属の植物です。日本では古代から自生している近縁種の野蒜(のびる)を利用していました。
にんにくは漢字で大蒜と書きますが、これは野蒜と区別するために当てられたものだと言われています。

ユリ科植物なので、分球で増える種類が一般的。日本では青森県が一大生産地で、6つの分球の「ニューホワイト六片」などが有名です。

ハーブの一種なので生命力が強く、比較的簡単に栽培することができます。ただ一つ気を付けるべきことは「暖地向き」「寒冷地向き」の品種を選ぶこと。
暖かい地域は紫にんにく、寒い地域はニューホワイト六片などが適していると言われています。
プランターで育てる場合、栄養たっぷりの水はけの良い土を選びましょう。畑で育てる場合はしっかり栄養を入れた連作していない畑で、苦土石灰などで中性~弱アルカリ性に調整した土を使います。(酸性に弱いのでご注意)
9~10月ごろに分球した鱗片を植え付けると、翌年5月ごろに収穫できます。育つのに時間はかかりますが病害虫に強く、根付けばすくすく育ちます。
4月ごろに花を咲かせますが、花が咲くと根の栄養を奪われるため、つぼみのうちに取り除きます。つぼみは「茎にんにく」として美味しく頂きましょう。

エピソード

にんにくの原産地は中央アジアや中東と言われ、紀元前3200年ごろにはエジプトで利用されていた記録が残っています。
ピラミッド建築の労働者への支給品の一つで、当時から膨大な数のにんにくが栽培されていたと考えられます。

古代エジプトからインドに輸入されたにんにくは、やがて中国へ輸入されました。
中国に入ったのは紀元前140年ごろで、大蒜(たいさん)という名の中医薬としても利用されていました。
日本には8世紀ごろに、中国から輸入されたと伝えられています。

大陸の中で、にんにくを伝えたのは遊牧民と言われています。交易の品の一つだったのかもしれませんが、彼ら自身もにんにくを利用し、過酷な旅路を乗り切っていました。
スタミナ食として、にんにくは大きな力になったことでしょう。

古代ローマでは、にんにくを医薬と位置づけていました。せき止め、腫れ物に効果があるとされ、トリカブト中毒や動物のかみ傷、下痢や寄生虫など、様々な効能があると考えられていました。
日本では、万葉集や源氏物語に、にんにくに関する記述があります。

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栄養価と効果効能

にんにくの栄養価はとても高く、炭水化物、たんぱく質、各種ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
カルシウムやカリウムが多く、塩の多い食事と相性が良いハーブです。
ビタミンBの効果を高めるアリシンが豊富で、ビタミンBの多い豚肉と相性ばつぐん。
さらに、スコルジニンという強い抵酸化作用物質もあり、若返り効果が期待できます。新陳代謝を活性化し、疲労回復にも役立ちます。
ただ、この作用は精神をかき乱すとされ、仏教の修行中には禁忌とされていました。それほど強い作用があるハーブは、なかなかありません。
殺菌作用が強く、がん予防効果が高いことでも有名です。アメリカで発足した「デザイナーフーズ計画」では、すべての食品の中で最もがん予防効果が高いものに位置づけられています。

利用方法と注意

にんにくの保存は、皮つきのまま吊して乾燥させておくのが一般的です。しかし芽が出てくるため、長期保存には向きません。
長期保存するときは、皮をむいてラップをし、マイナス2度くらいの環境に保管します。(皮があるとカビが生えます)冷凍庫で保管しても長期保管できます。
にんにく醤油やガーリックオイルなど、醤油や油につけ込むのも長期保存に向いています。

にんにく卵黄はスタミナ食として有名で、サプリメントでも販売されています。
料理の幅も広く、イタリア料理、中華料理には欠かせません。刻んで入れると臭いが強く出すぎる上にこげ臭くなりやすいため、イタリア料理(特にナポリなどの南部料理)では潰して丸ごと入れるほうが良いとされています。
丸ごと使うことで、マイルドに仕上がります。

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