レモングラスは、レモンのようなさわやかな薫りが楽しめるハーブ。ハーブティーや精油ではメジャーで、虫避けにも効果があると評判です。
一方で、妊婦さんは使わないほうが良いとされています。
レモングラスは、どのようなハーブでしょうか。
特徴
レモングラスは、イネ科オガルカヤ属の多年草です。レモンのような薫りの草、という意味ですが、レモングラスにはレモンの香料成分、シトラールが含まれています。
乾燥させたものはハーブティーや料理に、生のまま風呂に入れたり、精油や香料としてもよく使われています。
スープやカレーのスパイスに利用されることもあり、あっさりした肉(鳥、魚など)とよく合います。
レモングラスは日本でも育てることができます。ただし、高さが1メートル以上になることもあるので、場所に気をつけないといけません。
穂のないススキのような外見で、イネらしい細長い葉が放射線状に茂った姿になります。
寒さには比較的弱く、関東より北の地域は室内に入れるなどの工夫が必要です。一方で、枝を切ったものを水に漬けておくだけで根を伸ばすほど生命力の強い植物です。
5月ごろに苗を植え付け、10月ごろまで肥料を与えて育てます。水は控えめにし、乾燥したら与えましょう。
夏には葉をどんどん茂らせるので、夏ごろから葉を収穫できます。
このまま束にして、フレッシュなハーブティーを楽しむも良し、乾燥させて長期保存するも良し。
1株でもかなりの量が収穫できます。
乾燥した、半日陰の環境がよく合います。
エピソード
タイの伝統料理、トムヤムクンに欠かせないハーブです。
レモングラスの原産国はインドやスリランカ、インドシナ半島と考えられています。そのため、インドや東南アジアの食生活には欠かせないハーブとなっています。
インド医学アーユルヴェーダにも登場し、何千年も前から利用されてきました。
肉や魚の匂い消し、さっぱりした風味つけとして欠かせません。
ヨーロッパには1786年にイギリスへ、日本には大正時代に温室栽培されたのが始まりとされています。
花言葉は「爽快」。レモングラスの爽やかな薫りをストレートに表した言葉です。
効果・効能
レモングラスの主成分はシトラール。レモンの皮と同じ成分です。
このほかにも、バラの薫りの成分ゲラニオール、カンフェン、リモネンなど、独特の薫りを出す成分も。
これらの成分は抗菌、殺菌効果があり、細菌感染を予防します。風邪のひきはじめにレモングラスのお茶を飲んだり、アロマを炊くと治りやすくなると言われています。
真菌感染の予防効果もあり、民間療法では水虫治療に使うこともあります。
うつ病にも効果があるとされ、憂うつな気持ちを和らげ、爽やかな気分にさせてくれます。
眠気覚ましにも効果的。朝にレモングラスのアロマを炊くと、家族みんなの寝覚めが良くなるでしょう。レモングラスティーで優雅に朝食、というのも良いかもしれません。
血行促進の作用もあり、貧血を改善する効果も期待できます。
さらに、消化を助け脂肪の分解を促進する作用もあります。東南アジアやインドは蒸し暑い気候で、すぐに食欲が減退しがち。レモングラスはそれを防ぎ、美味しく食べて元気になる作用があります。
胃もたれや胸ヤケしたときは、レモングラスのハーブティーを飲むと良いでしょう。
レモングラスの薫りは、虫を寄せ付けない効果があります。
そのまま庭やベランダで栽培するだけでも虫避けになり、葉を乾燥させたものをクローゼットに入れても効果があります。
塩にレモングラスの精油を数滴垂らし、台所に置くとゴキブリが寄りつかなくなると言われています。
利用方法と注意
レモングラスは作用が強いため、妊婦さんは使用を避けましょう。
つわり中は酸っぱいもの、爽やかな薫りや味で楽になることがあります。こんな場合は少量の国産レモンの皮で代用すると良いでしょう。
ハーブティー
レモングラスを乾燥させ、1cmくらいに刻んだものが市販されています。
カップ1杯につき、小さじ1くらいのハーブをポットに入れ、熱湯を注ぎます。5分ほどで完成します。
単体だと色が薄いので、ほかのハーブとブレンドしても美味しく飲めます。
料理に利用するときは
レモングラスの葉は薫りが強いですが、根本10cmくらいの茎が特に強いとされています。
トムヤムクンの薫り付けに使うときは、この部分を叩いて繊維を壊してから、そのまま入れましょう。
後で取り出しやすくするために、長いまま入れるのがポイントです。
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