キャラウェイについて。シード、アロマの効果・効能。育て方

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キャラウェイはウイキョウの一種、ヒメウイキョウの種(正確には実)です。
キャラウェイシードはクミンシードによく似た細長い実で、黄土色の皮に包まれています。味わいはほろ苦く、薫りは甘く、比較的クセが少なく使いやすいのが特徴です。
若葉を飾り付けやハーブに使うこともあり、様々な活用ができる万能ハーブです。

特徴

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セリ目セリ科ヒメウイキョウ属の二年草です。キャラウェイの語源はアラビア語で、カラウィーヤが訛ったものと言われています。
原産は西アジア一帯で、主にキャラウェイシードと呼ばれる種(実)を乾燥させたものをスパイスとして使います
葉もハーブとして楽しめ、魚料理の飾り付けやお菓子に混ぜたり、スモークサーモンの飾り、そのままサラダにすることもあります。
和名はヒメウイキョウですが、ディル(ウイキョウ)も似たような和名なので混同されがち。同じセリ科で姿がよく似ていますが、ディルはイノンド属です。
同じセリ科なので互いに代用もできますが、若干風味が異なります。キャラウェイのほうが、葉が柔らかく美味しい傾向があります。

効果・効能

セリの仲間ですが、キャラウェイの葉は人参やパセリよりずっと柔らかく、甘い風味があります。キャラウェイシードは甘い薫りと、ほろ苦い味わいが楽しめます。
薫りの主成分はd-カルボン、レモンにも含まれるリモネンです。
これらの成分は胃腸を丈夫にし、痰を取り除き、消化促進、利尿効果などが期待できます。
胃けいれんなどにも効果があると言われ、胃腸の不調を改善すると言われています。
梅雨ごろから夏にかけて、暑さで胃腸が弱くなる時期です。この頃にキャラウェイなどを適度に使うと、うまく夏を乗り切れます。
精油でアロマを炊いても、同じ効果が期待できます

栄養価も高く、キャラウェイシードにはビタミンB1、B2、C、E、ナイアシン、葉酸を多く含みます。カリウムも豊富でカルシウム、マグネシウム、リン、カリウムなどを含みます。
これらの作用で糖質の代謝を進め、エネルギーを消費しやすい身体を作ります。細胞分裂をスムーズに進めるので新陳代謝が進みます。
抗酸化作用も高いため、若々しさを保つ効果も期待できます。さらに、過剰な塩分を体外に排出し、体内の塩分濃度を適正に保つ効果もあります。
夏バテを防ぎ、暑い環境でも元気に過ごせる効果が期待できます。ぜひ夏にはキャラウェイを少量づつ食べる習慣を付けましょう。

利用方法と注意

キャラウェイシードはキャベツと相性が良く、キャベツの甘さを引き立てます。ドイツではザワークラウトに入れることも。
キャベツのクミン炒めは手軽で美味しいレシピですが、キャラウェイで代用してもおいしく頂けます。

アロマを炊く際は、量が多くならないように気を付けましょう。

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育て方

ヒメウイキョウの名のとおり、キャラウェイは草丈がディルに比べて小さいのが特徴です。草丈30~60cmほどと小柄で、そのまま根本から刈り取って販売されることも。
葉はレースのように細やかで、さわやかな薫りと味が楽しめます。

豊かな土壌を好み、日当たりの良い場所を好みます。夏は半日陰になるような場所が良いでしょう。
深く根を張るため、畑なら深く耕します。プランターで育てる場合は深い鉢を選びましょう。
種まきは春、秋の2回行うことができ、4~5月か9月ごろに行います。
畑で育てる場合は、株間を40cmくらいになるまで間引きます。間引き菜もサラダなどで美味しく食べられるので、無駄がありません。
根が深いせいか、植え替えると株が弱ってしまいます。一度根付いたら、収穫までそのままで育てましょう。
2年目の6~7月に花を咲かせ、8月ごろに種(実)を付けます。キャラウェイシードを収穫したい場合は、種が茶褐色になってから茎ごと刈り、陰干ししてから種を採取します。

種を付けるまでに2年かかりますが、葉はいつでも収穫できます。

エピソード

ディルに並び、人類最古のハーブと考えられています。石器時代の遺跡から発掘されています。
古代エジプト、ギリシャ、ローマ人たちが使用していました。特にキャラウェイを広めたのはフェニキア人です。
フェニキア人は地中海の古代国家で紀元前3000年ごろに栄え、貿易で栄えました。交易品のひとつにキャラウェイシードがあり、それを地中海沿岸諸国に売りさばいていました。
その代価でスペインから銀、イギリスからは錫(すず)、ドイツから琥珀などを輸入し、大いに栄えました。ヨーロッパ諸国にキャラウェイを広めたのは、フェニキア人と言われています。

やがてヨーロッパの技術も進歩し、12世紀のドイツの医学書にキャラウェイが掲載されました。14世紀のイギリスでは料理本にキャラウェイが紹介されています。
迷信も流行し、人や物を結びつけ、引きつける効果があると考えられていました。そのため、惚れ薬や盗難防止のおまじないに使われていました。

日本に渡来したのは遅く、明治時代に入ってからです。しかし優れた薬効があるため、すぐに胃腸薬や喉飴などに添加されました。
花言葉は「迷わぬ愛」。

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