生姜(しょうが)の栄養と効果効能★利用・保存・栽培方法

食べ過ぎ注意、胡椒の種類と健康効果。栄養や栽培法、歴史など薬味として、味のアクセントとしても欠かせない生姜(しょうが)は、日本ではなじみの深いハーブの一つ。
体を温める作用があると言われていますが、使い方を間違えると体を冷やしてしまうこともあります。
知っているようで意外と知らない身近なハーブ、生姜について見てみましょう。

特徴

生姜は、単子葉類生姜属の植物で、世界各国で生薬(ハーブ)、野菜として大々的に利用されています。
原産国はアジアの暖かい地域だと考えられていますが、詳しい場所は不明。インド~インドネシア付近ではないかと考えられています。
古代から栽培され、インドでは紀元前300年ごろ、中国では紀元前650年ごろに利用されていた記録が残っています。

どこでも簡単に手に入る生姜ですが、プランターで簡単に栽培することができます。
生姜は暖かい地域が原産なので、寒さが苦手。霜が降りる心配のない4~5月ごろに植え付け、10~11月ごろに収穫できます。
収穫した生姜を保存して、翌年に植えることもできますが、温度管理が難しく(13~15℃に保つ)初心者には難しいかもしれません。春先に園芸店で販売される、種生姜を植え付けると簡単です。
芽が出るまで1ヶ月もかかるので、気長に管理しましょう。畑で育てる時は、連作障害があるため植え付ける場所に注意しましょう。

エピソード

生姜の利用は歴史が古く、最古の記録は紀元前6世紀の中国四川省とされています。当時は薬用として利用されていたと考えられています。
インドでも紀元前3世紀ごろには栽培が始まり、やがてアラビア商人の手でヨーロッパなどの諸外国に大々的に輸出されるようになりました。
胡椒などと同じく、ヨーロッパでは「東洋の貴重なスパイス」として珍重されていました。

欧米では「ジンジャーブレッド」と呼ばれるお菓子が有名です。古代ギリシャ時代から続く伝統的なお菓子で、魔除けの効果があるとされ、クリスマスによく作られます。
童話「ヘンゼルとグレーテル」に出るお菓子の家は、ジンジャーブレッドで出来ているという説があるほど。魔女と呼ばれた人々はハーブ使いの達人で、生姜の扱いにも長けていたため出た逸話だと考えられます。
ジンジャーパウダーや、生姜の絞り汁で味付けをするのが一般的。ブレッドという名前ですが、クッキーやケーキなど様々な形で楽しまれています。

日本では3世紀ごろに中国から輸入されました。当時は「ハジカミ」と呼ばれていましたが、室町時代から「しょうが」の名が一般的になりました。
江戸時代からは庶民にも親しまれる作物になり、当時の農業指導書には生姜の栽培や保存法などが記載されています。

SPONSORED LINK

効果・効能

生姜は水分が多いハーブです。6月ごろに出回る新しょうがを剥くと、水分がたっぷり溢れ出てくるほどです。
生姜の薬効成分の源は、「ジンゲロール」「ショウガオール」などの成分です。これらはそれぞれ似て非なる働きをします。

ジンゲロールは、生の生姜に含まれる成分です。辛味の元で、血管を広げ末端まで血流を届ける働きをします。
胃腸を整え、殺菌、免疫増強など、様々な薬効があります。
冷えによる肩こり、肌のくすみ、むくみなどに効果が高いと言われています。夏場のそうめんに少量の生姜を加えるのは、冷え予防を兼ねています。

しかし、ジンゲロールには「血流を改善する効果」はあっても、「発熱する効果」はありません。食べ過ぎるとかえって体を冷やすので、冬場に生の生姜はできるだけ控えましょう。

ジンゲロールが加熱されると、ジンゲロンやショウガオールという成分に変わります。
ジンゲロンには強い発汗作用があり、体を温め、血流促進の作用があります。
脂肪分解の効果もあり、ダイエットには最適です。
インドなど南アジアでは、カレーにたっぷりと生姜のすりおろしを加えます。これはジンゲロンの発汗作用で程良く体を冷やす効果があります。
抗酸化作用も期待できるので、若々しい身体を目指すなら最適でしょう。

ショウガオールも、ジンゲロールを加熱して生まれる成分です。
体を深部から温め、血流を促進します。頑固な冷え性の女性は、必ず生姜を温めて利用しましょう。(ジンジャーパウダーでも可)
生理痛の元凶ホルモン、プロスタグランジンの働きを鎮める作用もあり、PMSや生理痛に苦しむ女性には最適の成分です。
ショウガオールにも、強い抗酸化作用があります。

利用方法と注意

生姜紅茶、生姜シロップ、ジンジャーエールなど、様々な飲み物に利用されます。
冷え性を改善したいなら、必ず加熱したものか、ジンジャーパウダーを使いましょう。パウダー状なら腐る心配もなく、いつでも手軽に使えます。
妊婦さんでも食べられますが、過食は胃腸を荒らすので控えましょう。
漢方薬局で販売されている乾姜(生姜を蒸して乾燥させたもの。身体を温める特に強いとされている)を使うと、強い温め効果が期待できます。作用がとても強いので、暑がりの人は使用してはいけません。

豚肉に生姜のすり下ろしをたっぷり加えた生姜焼きは、和食の定番です。
みりん、少量の砂糖、醤油に生姜のすり下ろしを加え、小麦粉をまぶした豚肉と焼くだけで作れます。甘味が苦手なら砂糖は省きましょう。

長期保存するときは、冷凍がおすすめです。そのまま凍らせてすり下ろしても使えます。
冷蔵庫で保存するときは、水を含ませたキッチンペーパーに包み、さらにアルミホイルで包むと2週間ほど保存できます。
冷蔵庫で保管する場合は、出来るだけ早めに使い切りましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です