ステーキの付け合わせでお馴染みのクレソンは、ハーブとしての使用はもちろん、栄養豊富な野菜としても楽しめます。
クレソンの美味しい食べ方、育て方を見てみましょう。
特徴
穏やかな水流のある水辺で、クレソンの群生を見たことはあるでしょうか。
クレソンは、水辺を好むアブラナ科オランダガラシ属の多年草植物です。生食やお浸しにすることが多く、爽やかな苦味が楽しめます。
ハーブとしての効能と、野菜としての豊富な栄養価を同時に楽しめる植物です。
体高は20~60cm、挿し芽で簡単に殖やすことができ、湿り気のある環境ならプランターでも地植えでも簡単に育ちます。
効果・効能
クレソン独特の爽やかな苦味成分は、シニグリンという成分です。
同じアブラナ科の大根にも含まれる成分で、食欲増進、利尿作用、消化促進など様々な効能があります。
また抗菌、血液の酸化を防止する効果が期待できます。
鉄分、ビタミンC、カルシウム、βカロチン、葉酸、カリウムなどが豊富で、身体の余分なナトリウムを排出する作用があります。
ビタミンCは熱に弱いため、サラダにすると良いでしょう。ただ、茹でるとたっぷり食べられるため、軽く茹でてお浸しにしてもビタミンCは摂取できます。
ビタミンCは鉄を体内に取り入れるために欠かせない栄養素。出来るだけ加熱時間を少なくすると良いでしょう。
クレソンが肉の付け合わせによく使われる理由は、ナトリウムの排出効果、食欲増進作用によるものです。
肉には舌に感じないナトリウムが豊富に含まれているため、肉だけ食べると体内のナトリウムが過剰に増えてしまいます。
この余分なナトリウムを排出するためにクレソンが役立つのです。
消化しづらい肉の消化の手助けも期待できます。
肉と食べる時は、付け合わせ程度の量ではなく、サラダなどでたっぷり食べると良いでしょう。
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利用方法と注意点
ハーブティー
日本ではあまり一般的ではありませんが、香港ではクレソンのハーブティーをよく飲まれています。
美肌作用があるとされ、むくみ解消、食欲増進、口臭予防など、様々な効果が期待できます。
特に、土用(季節の変わり目)の体の不調に効果が高いと言われています。
マグカップ1杯分に、乾燥クレソンを大さじ1ほど入れて熱湯を注ぎ、5~6分蒸らして完成です。緑茶などとブレンドしても美味しく頂けます。
レシピ
そのまま生でサラダにするのも良いですが、たっぷり手に入ったらぜひ料理に利用してみましょう。
軽く茹でてお浸し、天ぷら、野菜炒めなど、どんな料理でも美味しく食べることができます。
特に、5月には花やつぼみが付いたクレソンが出回ります。花が付くと茎が固くなるため、軽く加熱すると茎まで美味しく食べられます。
育て方
丸い葉が連なる独特な姿で、4~5月に可憐な白い花を付けます。
育て方も簡単。種まきは4月~5月と9~10月、挿し芽は2月中旬~6月中旬と8月中旬~10月の、年に2回行えます。
挿し芽は近所の川やスーパーで入手したクレソンでも代用できます。
水が多い場所を好むので、プランター栽培をする場合は受け皿を置き、水がひたひたになるまで入れましょう。水は毎日~数日に一度入れ替えます。
夏場は特に傷みやすいので、水が腐らないように頻繁に入れ替えましょう。
根は水に強いですが、葉は水に浸かるとすぐに枯れてしまいます。強い日差しに弱いので、葉を守るためにも日陰を作ってあげましょう。
越冬もできますが、冬でも収穫するためには5℃以上の温度を保つ必要があります。
強い植物ですが、過酷な環境で育てると苦味やえぐ味が強くなります。生食をするなら、肥料をたくさん与え手をかけて育ててあげましょう。
エピソード
クレソンは、ヨーロッパの沼地が原産です。
ハーブや肉の付け合わせ、サラダの素材として大いに利用されてきました。14世紀から栽培が始まったと言われています。
日本では明治時代にオランダ人が川に植え付けたものが野生化し、現在では各地の川で自生しています。
クレソンの和名「オランダカラシ」は、オランダ人入植者が植えたことが由来です。
山梨県では水田で育てたクレソンが好評を博し、水田転向植物として広がった歴史があります。そのため、日本で最も生産量が多いのも山梨県で、全国の60%以上を生産しています。
現在は水耕栽培で管理しているため、一年中いつでも手に入れることができます。
花言葉は「安定」「不屈の力」「忍耐力」など。繁殖力旺盛なクレソンらしい花言葉ですね。
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