エゾウコギの効能。サプリやエキスの効果的な選び方と副作用

エゾウコギは知る人ぞ知るハーブで、あまり一般的に浸透した名前ではないかもしれません。

エゾウコギは高麗人参でお馴染みのウコギ科の植物です。乱獲で絶滅が危惧される高麗人参に比べると比較的数が多く、寒冷地で自生しています。

旧ソ連で研究が進んだことで有名なハーブで、最近はアメリカのサプリメント業界でも人気です。

特徴

セリ目ウコギ科の落葉低木です。漢字では「蝦夷五加」と書きます。

その名のとおり、日本では北海道に自生しています。高麗人参と同じ科の植物ですが、成分は高麗人参とは異なるため、乱獲されず数多く自生しています。

生命力が強い植物で、鋭い棘があり駆除するのもひと苦労させられます。

明治以降に北海道に移住した人々は「ヘビノボラズ」と呼び、片っ端から駆除していました。

世界的にはロシアのアムール地方、サハリン州、北朝鮮と国境を挟む中国の黒竜江省や吉林省など、寒冷な地域に分布しています。

低木に分類されますが、樹高は2~3メートルに達することも。アメリカのサプリ業界では「シベリア人参」の名で流通することもあります。

サプリメントの形が多いですが、エキスで流通することも。

エキスは素早く体内に吸収されるので、スポーツの前など速やかにパフォーマンスを発揮したい時に役立つと言われています。

生薬として漢方にも使われる

根(特に側根)の皮には薬効成分が含まれ、中医学では「刺五加(しごか)」「五加皮(ごかひ)」という名の生薬として利用されます。

副作用は少ない

健康食品としても有名で、副作用は比較的少ないと言われています。

しかし過剰摂取したり体に合わないと、頭痛や不眠、イライラや血圧上昇などの作用が起こると言われています。

うつ病などに効果ありとも言われる

うつ病や自律神経失調症、統合失調症など、西洋医学で治すのが難しいとされる症状に効果があるのではないかという口コミも。そのためアメリカなどでもエゾウコギのサプリが人気です。

スポーツ選手も飲んでいた?

滋養強壮作用があり、オリンピック選手が服用したところ素晴らしい成績を遺したことで話題になりました。

緊張をほぐし、適度にリラックスした精神に導くと言われています。

やる気を出す、疲れを軽減する、耐性が上がる、免疫がつくなど、様々な効能が期待できると評判のハーブです。

一般的な摂取のしかた

一般的にはサプリで摂取することが多いですが、お茶やエキスなど様々な形で摂取しても良いでしょう。

1日2~3gが適正量と言われていますが、体質的に合わないこともあります。はじめはごく少量だけ服用し、体調を見ながら判断しましょう。

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栄養成分と効果・効能

βエンドルフィンのすごさ

主成分エレウテロサイドEは、脳下垂体に働きかけβエンドルフィンという物質の分泌を促します。

βエンドルフィンは脳内で作られるモルヒネとも言われ、優れた鎮静作用があります。ストレス解消、疲労回復など、様々な作用があります。

さらに、βエンドルフィンは血中の白血球の一種、NK細胞と結合する働きがあります。これでNK細胞が活性化され、免疫力が上がります。

風邪の予防やアレルギー改善、癌の予防効果もあると言われ、病気を退け健康な体を保つ効果が期待できます。

血流の改善

さらに、イソフラキシジンという成分は血液の粘りを取り除き、血流改善の効果があります。

血行が良くなり、手足の冷え、頭痛や肩こりの改善、生活習慣病の予防など、様々な効能が期待できます。

冷えが解消されるので、間接的に不眠も軽減されます。

更年期障害の改善に期待

ピノレジノール・ジグロコサイドという成分は、体内に入ると女性ホルモンのエストロゲンに似た物質、エンテロラクトンに変化します。
これが疑似ホルモンの役目を果たし、更年期障害の改善や予防に効果があると言われています。

注意したいこと

様々な効能が期待できますが、長期間服用すると耐性が付いてしまい、効果が期待できなくなるという弱点があります。

連続して飲み続けると効果が薄れるため、8週間服用したら2週間休みましょう。

る程度休みの期間を入れることで、エゾウコギへの耐性を減らすことができると言われています。

2週間後に服用してあまり効果が感じられないときは、もう少し休んで耐性を取り除きましょう。

効果的な利用方法

ロディオラと飲むと良い

副作用は少ないといわれますが、体質によってはイライラすることがあります。

そんな時はロディオラというハーブとともに飲むと、副作用が軽減されると言われています。

ロディオラも非常に優れたハーブで、セロトニンやドーパミンの調整を行う効果があると言われています。

予算に余裕があれば、ロディオラも同時に服用すると、さらに高い効果が期待できます。

薬効成分が多いのは

エゾウコギは北の厳しい環境で育ったものが、多くの薬効成分を含むと言われています。

さらに、樹齢10年以上の自生した成熟した樹木には、十分な薬効が含まれているとされています。

もし原料のエゾウコギを手に入れるなら、ぜひ寒冷地で育った10年以上のエゾウコギを入手しましょう。根の中でも、特に側根に多く薬効成分が含まれると言われています。

サプリメントやハーブティーの選び方

必ず滅菌処理されたものを入手しましょう。生産地が中国やロシアが多いため、日本並みの衛生管理を求めるなら日本の業者が加工したものを購入するほうが安心です。

国内外で数多くのサプリメントが市販されていますが、特にアメリカのサプリメント業界では安価なものから高額なものまで、様々な価格帯のものが売られています。

価格差が激しい理由は様々ですが、高価格帯のサプリは有効成分が表示されたものが多く、一定の効果が期待できます。

一方で、安価なエゾウコギのサプリには有効成分が表示されていないものが大半です。
エゾウコギの名で流通していても、有効成分がどの程度含まれているかは未知数です。

確実に効能を期待したいときは、有効成分量が表示されたエゾウコギを入手しましょう。

アメリカから個人輸入も通販感覚で手軽に行えますが、税関で検査に回され到着に時間がかかることも。早く入手したいときは国内のサプリやハーブティーを買い求めたほうが無難です。

薬を飲んでいる方は、必ず薬剤師や医師に相談しましょう。薬の作用に影響を与える可能性があります。

エピソード

世界各国では

エゾウコギは中国、ロシアなどで昔から薬として利用されていました。

ロシアでは「命の根」(エレウテコロック)と呼ばれ、昔から民間薬として利用されていました。彼らにとって馴染み深いエゾウコギに科学のメスが入ったのは、旧ソ連時代です。

1960年代、旧ソ連アカデミーの研究でエゾウコギにはエレウテロサイドやイソフラキシジンという成分が含まれていることが分かりました。

これらの成分は集中力を上げ、疲労回復を促し、ストレス軽減、免疫力向上、自律神経のバランスの回復、緊張をほぐす鎮静作用などがあることも判明し、エゾウコギの効能が科学的に解明されました。

近縁種の高麗人参とも比較され、サポニンが多い高麗人参に比べて、トリペルペノイド系配糖体を7種類含むエゾウコギは6倍の効果があると発表されました。

本当に高麗人参の6倍ものパフォーマンスが期待できるかは兎も角、ロシアに伝わる伝統ハーブが世界中から注目されるきっかけになりました。

さらに、1980年のオリンピックでロシア選手がエゾウコギを服用し、優れた成績を取れたことで、スポーツ界にも広く浸透しました。

中国では2000年前から中医学で利用されていたと考えられています。16世紀に記された薬学書「本草網目」には精気を補う、筋骨強化、意志を堅牢にし、長期服用すれば心身が軽くなり老化を防ぐと記されています。

エゾウコギの有効成分には抗酸化作用もあり、この作用で老化を防ぐと考えられます。

一方、日本では

日本では北海道やサハリンなどで暮らすアイヌの人々が民間薬として利用していました。

飢饉の非常食として活用された実例もあります。米沢藩の上杉鷹山は藩の人々にエゾウコギの栽培を推奨しました。そして飢饉が襲ったとき、人々はエゾウコギの若葉などを食べて飢えをしのぐことができたと言われています。

現在はアメリカも一大消費地で、勉強のやる気アップやスポーツのパフォーマンス向上、ダイエット、風邪の改善、うつ状態の改善、緊張をほぐすなど様々な目的で摂取されています。

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