フランキンセンスの香りと効果効能。精油、オイルなど使い方

frankincense

古代から「乳香」と呼ばれ珍重されているフランキンセンスは、現在では精油、香水や化粧水、化粧用クリームなどでお馴染みのアロマでもあります。
古代から逸話は数知れず、人類の歴史はフランキンセンスと共にあったと言っても過言ではありません
ここまで人々を虜にする、フランキンセンスはどのようなハーブでしょうか。

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特徴

frankincense-tree

ムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の低木で、アフリカ東北部、紅海沿岸、インド原産です。名前の由来はフランス語で「真の香り」という意味。
アラビア語で「乳」を意味する「オリバナム」という別名もあります。
中国語では「乳香」と呼びますが、これはフランキンセンスの樹液が薫り高い乳白色のためです。

フランキンセンスは、樹木に傷を付けて溢れ出た樹脂が固まったもの。樹脂は空気に触れると固まり、鉱石のような白~オレンジ色の固まりになります。
1~2週間ほどで、この固まった樹液を採取します。
この樹脂を焚くと良い薫りが漂うことから、古代から現在まで宗教儀式に関わりの深い植物でした。

効果・効能

αーピネン、αーツヨネンを多く含み、深いリラックス効果が期待できます。
宗教施設で長らく使われているのは、この深いリラックス効果が精神集中に効果があるからだと考えられています
他にもレモンにも含まれるリモネンを多く含みます。フランキンセンスに微かにレモンの薫りがするのは、リモネンが含まれているためです。
不安、恐怖、パニックなどの症状を緩和し、落ち着きを取り戻す効果が期待できます。さらに、気分を高揚させる作用もあるとされ、心身を元気にする作用もあると言われています。

これらの成分をまとめて「モノテルペン炭化水素類」と呼びますが、森林浴と同じリラックス効果が得られます。
免疫力を上げる効果もあり、がん抑制に効果があるのではないかと言われています。
「若返りの精油」と言われることもあり、古代エジプトではシワ取りに用いられていました。

粘膜の炎症を鎮める効果もあると言われ、気管支炎やぜんそくを改善する効果が期待できます。収れん作用があるため、肌の引き締めにも役立ちます。乾燥肌、あかぎれ、老した肌にも有効とされています。

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利用方法と注意

子宮を収縮する作用があると言われているため、妊娠初期の使用は控えましょう。
フランキンセンスのエキスは化粧水やクリームなどにも含まれています。成分表をよく読み、安定期に入るまでは使用を控えましょう。

産地や品種により価格が大きく変わります。もっとも高級とされる品種はボスウェリア・サクラで、イエメン、オマーンで産出されます。
広く普及しているのはボスウェリア・カルテリイで、中東全般やアフリカで産出されます。

現在は精油を焚いて、アロマとして楽しむことが増えました。使い方は単体でも良いですが、ネトリやローズ、サンダルウッド、ミルラなどと相性が良く、ブレンドするとさらに多くの効能が期待できます。
ヘアケアやスキンケア、入浴剤としても楽しめます。

栽培について

フランキンセンスは栽培することが難しいと言われ、多くが自生する地域の特産品とされています。
かつては金と交換するほど高値で取引され、税金の物納にも用いられていました。しかし現在はカミキリムシの食害や乱開発、農地転換などで急速に数を減らし、危機的な状況にあります。
あと50年ほどで90%のフランキンセンスが消失するとされる研究報告もあり、生息地の保護が急務です。このまま放置すれば、遠くない将来には絶滅するかもしれません。

栽培は難しいと言われますが、海外では種が流通しています。発芽率は8%ほどと大変シビアですが、園芸に慣れた方ならチャレンジすると成功するかもしれません。

エピソード

フランキンセンスほど歴史に名を残すハーブはないでしょう。
紀元前40世紀のエジプトでミイラの香料として使われたのを筆頭に、古代ローマ、古代中国、中東など、多くの地域で活用されました。
その価値は非常に高く、代理通貨としても通用するほどでした。

時代や地域は違っても、ほぼ共通するのは、宗教儀式で焚かれていた点です。
古代エジプトでは、太陽神ラーに毎朝捧げられていました。中東のアッシリア人は、豊穣の神バアル神に60トンものフランキンセンスを焚いたと記録されています。
古代中国やインドでも、神殿や寺院で日常的に焚かれていました。現在でも寺院などで使用されています。

その他にも病気を治すためにも使われていました。古代エジプトでは病気は悪霊が憑いたためと考えられ、悪霊払いにフランキンセンスを炊いて病を治そうとしました。
(フランキンセンスには免疫改善の働きがあり、ある程度の病気は改善できた可能性があります)
悪霊払いの習慣はアルプス山脈の人々にも残り、現在でもクリスマスのシーズンにセージやジュニパー、モミなどと共に焚いて悪霊を追い払う風習が残っています。

古代でもっとも派手にフランキンセンスを使ったのは、古代ローマの皇帝ネロでしょう。
愛妻が亡くなった際、アラビアから1年ぶんのフランキンセンスを買い取り、弔いに一度に焚いたと言われています。

アラビア産のフランキンセンスは良質とされ、かつては最大の輸出国でした。当時は黄金に匹敵すると言われるほど価値が高かったため、アラビアには巨万の富が集中しました。
その時代のアラビアを治めていたのが、シバの女王です。

新約聖書にもフランキンセンスは重要な場面で登場します。
イエスが馬小屋で誕生した時、東方から三人の博士(賢者)がお祝いに駆けつけました。博士たちはそれぞれ乳香、没薬、黄金を差しだし、どれを選ぶかを試したところ、イエスは乳香を選びました。
乳香は神性や宗教を意味し、イエスの生涯を暗喩するものと言われています。

各地で医療として使われることも多く、民間療法として使われていました。
古代エジプトではシナモンとブレンドし、手足の痛み緩和に用いられていました。
中医学や漢方でも鎮痛剤、止血、筋肉をほぐす目的で用いられています。中国ではハンセン氏病や結核などの治療にも用いられていました。
噛むとガムのように弾力があるため、アラビアではガムとして楽しまれていました。

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