葉・茎・種、食べ方色々!セロリの栄養と効果効能♪栽培方法

スティックサラダなどでお馴染みのセロリは、その独特な薫りのため、好き嫌いがハッキリ分かれるハーブです。
しかし、セロリはカリウムが多く、肉食が多い人にはお勧めしたい食材です。
加熱すると薫りが和らぎ、とても食べやすくなります。生はダメだけど、スープの具は大好き、なんて方もいるのでは?

特に注釈がない限り、日本で一般的な中間種(薫りが穏やかな品種)についての説明になります。

特徴

セロリはセリ目セリ科オランダミツバ属の植物です。
セロリが一般的でなかった時代にはオランダミツバ、清正人参と呼ばれていました。
主にアメリカで栽培される緑色種、日本で栽培される黄色種または中間色、中国で改良されたキンサイ(広東セロリ)の3種類があります。
旬は春で、市場には12月から翌5月ごろに多く出回ります。

茎だけサラダにして後は捨ててしまう方もいますが、セロリは葉や皮も利用できる万能野菜。ぜひ丸ごと頂きましょう。茎以外は生食できないので、加熱調理します。
根や実、種なども食用にできます。

原産地はヨーロッパから中東にかけての涼しい高原地帯です。日本でも長野県の高原地帯などで大規模栽培されています。
涼しい、風の通る環境を好むため、蒸し暑い場所は避けましょう。

地域により異なりますが、5月ごろに種をまく、又は7~8月に苗を植え付けます。
セロリは16℃以上ないと成長しないため、種まきはしっかり気温が上がる5月ごろまで待ちましょう。
土壌は石灰できちんと酸度を調整し、たっぷり栄養を入れましょう。プランターの場合は、深い大きめの野菜用鉢で1~2株栽培します。

種は種苗ポットで栽培し、本葉が5~7枚になったところで植え替えます。(プランター栽培なら、苗で買うのも良いです)
乾燥に弱いため、水を切らさずに厳重に管理しましょう。難しい場合は、苗を買うほうが難易度は下がります。

株の間を20~30cmくらい空けて植え替えます。セロリは人参のように根がまっすぐ下に伸びるため、深植えは禁物。少し根が飛び出す程度に浅く植え付けましょう。
月に2回ほど追肥し、肥料が切れないように気をつけます。水も多めに与えましょう。

30~40日ほど経ったら、わき芽かきを行います。これをしないと茎が細くなり、株が弱ってしまいます。
多すぎるわき芽や下葉を適度に摘み取ります。摘み取った芽や葉は美味しく食べられるので、刻んでスープなどに活用しましょう。
30cmほどの高さになれば収穫できます。根元付近でバッサリ切り落とすのも良いですが、家庭菜園なら外側の茎だけ取ると、長い間楽しめます。
液肥さえ切らさなければ、冬の間も収穫できます。

害虫がとても多いため、防虫ネットをかけて育てると良いでしょう。夏以降は半日陰で育てると、比較的元気に育ちます。

エピソード

セロリは薬用としての歴史はとても古く、古代ギリシャ、ローマ時代にはすでに活用されていました。
当時は整腸剤や強壮剤、精神安定剤、香料などに使われていましたが、食用されていませんでした。
魔除けの効果があると考えられ、祭りなどにも使われていました。
しかし、当時は食用ではなく、薬用ハーブとして扱われていました。

西洋では16世紀ごろから栽培が始まり、徐々に欧米に食用文化が広がっていきました。19世紀にはアメリカにも渡り、現在はアメリカが一大産地になっています。

日本には戦国時代の武将、加藤清正が伝えたとされています。しかし薫りが強すぎるため食用にされませんでした。
江戸時代にオランダ船が持ち込んだり、幕末から明治にかけても栽培を試みた時期もありましたが、なかなか受け入れられませんでした。
日本で本格的な栽培が始まったのは、戦後の洋食文化が普及してからです。
広い高原を持つ長野県が主要産地で、全国の40%以上を収穫しています。静岡県、福岡県、北海道などでも大規模に栽培されています。

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効果・効能

カリウムが豊富で、高血圧予防が期待できます。
カリウムは体内のナトリウムと結びつき、対外に排出する作用があります。ナトリウムとカリウムは2:1のバランスが理想とされていますが、現代人は塩分を過剰に摂取しがち。
セロリは、多すぎるナトリウム排除に役立ちます。
葉にはβカロテンも含まれているため、若返り効果も期待できます。腸をきれいにし、体臭予防にも効果があります。

独特の薫りは「アピイン」「セダノライド」「ピラジン」などの成分です。
アピインはポリフェノールの一種でストレス解消、リラックス効果、沈痛、食欲増進などの作用があるとされています。
セダノライドは肝臓を元気づけ、喫煙や飲酒などで溜まった毒素を排出します。がん抑制にも効果があると言われます。
ピラジンは麦茶などに含まれる成分で、血栓予防の効果が期待できます。

茎に含まれるメチオニンは必須アミノ酸の一つで、肝臓機能を高める効果があります。セダノライド同様、毒の排出作用もあります。

利用方法と注意

セロリはサラダで食べることが多いですが、ピクルス、漬物などで食べると栄養バランスが良くなります。
薄くスライスしてきんぴらや炒め物にしても、美味しく食べられます。
葉や堅い茎はブーケガルニの材料の一つで、煮込んだエキスはカレーやスープなど煮込み料理に活用できます。

薄切りにして密封すれば冷凍もできます。薫りが飛びやすいので、2週間以内に食べ切りましょう。
肝臓を活性化し、リラックス効果もあるので過食を防ぎ、ダイエット効果も期待できます。

しかし、セロリシードや、セロリシードを絞って作るセロリ油には、妊婦さんは注意が必要です。セロリシードには子宮を収縮する力があります。
セロリシードには利尿作用、消化促進、月経促進などの作用があると言われています。

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