料理好きやアロマを楽しむ方以外はあまりなじみがないマジョラムですが、シソの仲間のハーブです。
シソ科のハーブは数多く、様々な風味や香りがあります。薄荷のような爽やかな刺激から、紫蘇のように独特の風味があるものまで多種多様です。
イタリア料理に欠かせないハーブ、オレガノの同属です。オレガノよりマイルドな風味で、気軽に楽しめます。
マジョラムについて
シソ科ハナハッカ属の多年草です。
マジョラムの葉や茎はほのかに甘く、「スイート・マジョラム」と呼ばれることもあります。
同属のオレガノは、「ワイルド・マジョラム」と呼ぶことも。オレガノはマジョラムより芳香が強く、クセが強いハーブです。
語源
名前の語源は諸説ありますが、ギリシャ語で「真珠」を意味する「マルガロン」だという説があります。
古代より使われていたハーブ
古代ギリシャの時代から医薬品として使われ、化粧品や香料としても活用されていました。
古代ギリシャの美の神、アフロディーテはマジョラムの地味な姿を哀れみ、花に素晴らしい芳香を与えたと言われています。そのため、アフロディーテが創った花と言われることもあります。
古代エジプトではミイラの防腐剤にも用いられていました。
古代ローマでは幸せの象徴とされ、冠婚葬祭に用いられていました。新婚の夫婦の頭にマジョラムの花冠を被せて祝福しました。
故人の冥福を祈り、墓に植えられたり埋葬品の一つとして使われていました。
中世ヨーロッパでは、現在より重要な地位のハーブでした。
ローマ人がイギリスにビールを伝えましたが、当時はまだホップを使いませんでした。ホップが使われるまで、ビールのほろ苦さはマジョラムで代用されていました。
乾燥させたマジョラムは吸い込むと体に良いとされ、広く普及していました。
花言葉は「常に幸福」「恥じらい」など。
マジョラムの成分と効能
香り成分
マジョラムの香りの主成分はテルピネン。
テルピネンは様々な種類がありますが、テルピネンー4ーオールやγ-テルピネン、α-テルピネンなど、様々な種類が含まれています。
レモンの香りの元、リモネンも含みます。
効果
心の不安を取り除き、不眠症やストレスを軽減する作用があります。気を鎮める力があり、ヒステリーやチック症の緩和にも効果があるという研究結果もあります。
精神が不安定なときは、マジョラムのアロマを炊くと鎮静作用が期待できます。
腸の動きを促し、胃腸を元気にする作用もあります。腸の動きが悪い時に使うと、腸内のガスを排出し便秘解消に効果があると言われています。
マジョラムは高血圧に効く、という説もあります。これは、マジョラムには血管を広げ、静脈を強化する作用があるためです。
高血圧はストレスで血管が縮まることも原因の一つ。心身に作用することで、高血圧緩和に効果があると言われています。
免疫アップの効果もあります。
ミイラの防腐剤に使われていたこともあるほど、抗菌作用もあります。料理にマジョラムを加えると、風味を上げるだけでなく保存性も高めます。
美容効果も高く、クマや肌のくすみを改善する作用があります。これは血管を広げ、血流がアップすることで新陳代謝が進むからと考えられます。傷の治癒力を上げる効果も期待できます。
使用方法と注意
注意
マジョラムの精油は刺激が強いため、妊娠中、月経中の女性は避けましょう。高血圧の改善には役立ちますが、低血圧の方には向かないと言われています。
過剰摂取すると、眠気を起こすこともあります。運転前に摂取するのは控えましょう。
食べ方
レシピは様々ありますが、いちばん手軽なのは生の葉をサラダに混ぜること。
毎日少量づつ食べると、マジョラムの効能を実感しやすくなります。
肉料理と相性が良く、肉に風味を与え、防腐効果も期待できます。ソーセージのスパイスにマジョラムを入れることも。
トマトやチーズと相性が良いので、イタリア料理などトマトをよく使う料理全般によく合います。カポナータなどの煮込み料理に、オレガノの代わりに入れても風味が楽しめます。
関連記事:マジョラムの育て方について
コメントを残す