あく抜き必須!わらびの栄養♪下処理にレシピや保存法まで

外食でも佃煮で出ることが多い山菜、わらび。加工品は保存しやすいため、山菜の中では比較的よく流通しています。
しかし、やっぱり春先に手に入る、新鮮なわらびの美味しさは格別。独特な歯ごたえが楽しめます。
わらびは、数億年も昔から生き続けるシダ植物です。地上で初めて森を形成した植物で生命力が強く、厄介な毒も持っています。さっそく、わらびについて見てみましょう。

旬と産地

わらびは、シダ目コバノイシカグマ科ワラビ属の多年生シダ植物です。
地下茎で増える習性があり、どんどん横に伸びていきます。
森に生息する植物ですが、暗い森の中では生息できません。里山や、火事などで丸裸になった日当たりの良い場所にたくさん生えます。
昔から人々のすぐ側で生きているため、山菜として大いに利用されてきました。
他の山菜のように山奥まで出歩く必要もなく、地面を掘ったりトゲだらけの木に触れることもなく簡単にたくさん採取できるのも、わらびの特徴です。

わらびは全国各地で自生しています。
生産量は山形と秋田がダントツに多く、続いて新潟、青森、北海道などが続きます。どこでも生える山菜ですが、農産物として収益を上げる地域は東北より北の寒い地域が多い傾向があります。

旬は地方によって異なり、九州は3月中旬ごろ、西日本は4月中旬から5月の連休明けごろ、東日本では6月ごろになります。
最近は気候変動が激しいため、旬が前後することがあります。わらび摘みで遠出する場合は、必ず事前に確認しておきましょう。
枯れたわらびの葉が積もっている場所に、よく生えています。

下ごしらえ

わらびは、アクがとても強い山菜です。このアクには発ガン性物質、プタキロサイドという物質が微量含まれていて、生で食べると中毒を起こします。
重い症状だと全身から出血し、骨髄が壊れて死亡することもあるほど危険な毒です。

しかし、アクさえ取ればプタキロサイドは分解され、ジェノンという無害な物質に変わります。
アク抜きは簡単なので、必ず行いましょう。

一般的には、水2リットルを沸騰させ、その中にタンサン大さじ1杯、または重曹小さじ2杯を入れます。
そこに、切りそろえたわらびの束を入れ、指で潰れるくらいの柔らかさになるまで煮ます。
すぐに冷水に入れ、何度か水を換えながら綺麗に洗えばアク抜きは終了です。

他にも様々な方法があります。
きれいに洗い、切りそろえたわらびを大きな鍋に入れ、そこに重曹をふりかけます。さらに沸騰した湯を注ぎ、新聞紙でフタをして1晩そのまま置いておく方法もあります。
翌日の朝に、冷水で洗いアクを取り除けば完成です。

温泉地なら、飲用できる単純アルカリ泉でアク抜きすることもあります。
小麦粉と塩でアク抜きをする方法もあります。わらび100gに対し水1リットル、小麦粉大さじ4、塩小さじ2を用意します。
水を鍋に入れ、小麦粉と塩を加えてよく混ぜてから沸かします。沸騰したらわらびを入れ、3分ほど煮てから流水で10分以上晒して完成です。

どの方法でも必ず、アクが抜けたか味見しましょう。舌が痺れる、渋み、苦みを感じるときは、まだアクが抜けきっていません。

アク抜きをした後なら、冷蔵は1週間ほど、冷凍なら1ヶ月ほど保存できます。
水に浸した状態で冷蔵庫に入れ、毎日水を入れ替えましょう。冷凍なら適当に切ってラップに包み、凍ったまま調理します。
長期保存する場合は、水に浸したまま密封袋に入れて冷凍しましょう。自然解凍させてから使います。

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食べ方

お浸し、煮物、天ぷらなど、様々な食べ方ができます。
わらびはクセがないので、パスタの具など様々なものに使えます。

わらびの炒め煮

シンプルですが、とても美味しい煮物です。油揚げの油で旨さが引き立ちます。
美味しいですが、過食は禁物。

わらび(アク抜き済)300g
油揚げ 20g(小さなもの1枚)
にんじん 50g
サラダ油 大さじ1

(だし)
水1/2カップ、醤油大さじ2、砂糖大さじ1、みりん大さじ2

わらびを4cmくらいにカットし、油揚げは油ぬきをしてから細めに刻みます。にんじんは太めの千切りに。
鍋に油を入れ、わらび、にんじん、油揚げの順に炒めます。すべて馴染んだところに、だしを入れて煮込みます。
15分ほど煮たら完成です。

栄養

特にビタミンB2や葉酸が多く、ビタミンK、E、カリウム、マグネシウム、銅なども多く含まれます。
ビタミンCも豊富ですが、アク抜きの過程でほとんど壊れてしまいます。

ただし、わらびはアク抜きをしても大量に食べてはいけません。中毒を起こす可能性があるからです。
副菜の一つにとどめ、栄養摂取よりも歯ごたえを楽しむ旬の食材として楽しみましょう。

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