イタリア料理などで有名なバジルですが、今ではすっかりお馴染みのハーブになりました。
栽培も簡単で、特に世話を焼かなくてもすくすく成長し、葉も実も茎も美味しく頂けます。
最近はバジルシードの効能も注目されていますが、どのようなハーブなのでしょうか。
特徴
※ホーリーバジル↑
バジルはシソ科メボウキ属の一年草で、生命力がとても強く、湿度の高い夏でも元気に成長します。寒さに弱いため日本では一年草として扱われていますが、本来は多年草です。
原産地はインドなど熱帯アジア。
イタリアでは「バジリコ」と呼ばれ、スイートバジルとオリーブオイルで作るジェノベーゼはとても有名です。
他にもホーリーバジル、シナモンバジル、タイバジル、レモンバジルなど様々な種類があり、それぞれ姿や薫りも異なります。
特にホーリーバジルは薬効が高いとされ、インドの伝統医療では重要な役目を担います。
効果・効能
バジルの薫りは胃腸をいたわり、調子を整える働きがあるとされています。
バジルの旬は初夏から。梅雨や夏の暑さで食欲が落ちてしまいがちな時期です。このような時期に育つバジルは食欲増進を促し、消化不良を改善することが期待できます。
胃腸の膨満感を改善し、吐き気止めの効果もあると言われています。
さらに、神経に働きかけて安定させる働きもあるとされ、集中力を高め、イライラを鎮め、心の疲れを癒す効果が期待できます。
生食で楽しむならスイートバジルが、比較的クセがなくて食べやすい品種です。
風呂に入れるバジルはホーリーバジルなど、葉が比較的固いものが向いています。それぞれ薫りに個性があるので、自分に合う品種を選ぶと良いでしょう。
バジルは栄養価も高く、高い抗酸化作用があります。βカロテン、ビタミンE、ルテイン、サポニン、テルペンなど様々な栄養が含まれています。
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利用方法と注意点
バジルの新しい利用法に、バジルシードを食べることが流行しています。
バジルの種を水に浸す、種の周囲にグルコマンナンの層を作り、30倍にも膨らみます。
蛙の卵のような姿ですが、ゼリー状のぷるぷるした食感で豊富な食物繊維を含んでいます。ダイエットに高い効果があるとされ、一大ブームが湧きおこりました。
水500mlに対し、バジルシード小さじ1杯を浸して30分ほど経てば完成です。食事前にこれを食べることで満足感を与え、ダイエット効果が期待できると言われています。
種は発芽する際に毒を出すため、出来るだけ水に浸したものを頂くほうが無難です。一部の高級スーパーでは、ビン詰めのバジルシードドリンクも販売されています。
バジルの和名はメボウキ(目箒)と言いますが、昔はこのゼリー状になったバジルの種で目を洗っていたことから名付けられました。
料理
ブレンダーさえあれば、バジルソースはとても簡単に作れます。
バジルの葉をたくさん用意し、オリーブオイル適量、粉チーズ100g以上、にんにく1かけ、塩適量、松の実(なければカシューナッツやくるみでも)少々をブレンダーの中に入れ、1分ほど混ぜるだけ。
完成したら袋に密閉して、冷凍すれば半年は保管できます。空気に触れると美しい青色が退色するので気を付けましょう。色は変わっても味は変わりません。
これをパスタに絡めると、バジルジェノベーゼの完成です。魚介類を焼いて最後に加えると、爽やかな香りと味が楽しめます。
トマトと合わせてバジルパスタにしても、美味しく頂けます。
育て方
3~4月に種まきを行うと、6月から収穫できます。
成長がとても早く、何度か枝先を切る「摘心」を行うと、さらに多くの葉を付けて長く楽しむことができます。
爽やかな薫りで、刺激が少ないため生で食べることができます。火を入れすぎると薫りが飛んで色も黒くなるので、加熱は必要最低限に抑えましょう。
エピソード
原産国のインドでは、神様に捧げるハーブとして重宝されています。その独特の薫りは幸福を招くと言われ、寺院などで植えられていました。
バジルの歴史は大変古く、4000年前にはエジプトに伝わり、さらにローマなど欧州南部にも普及したと言われています。
イタリアではトマト料理のハーブとして大変有名で、ピザの基本マルゲリータからパスタまで様々な種類の料理があります。
南イタリアの強い日差しの中で育ったトマトとバジル、新鮮な乳から作られたモツァレアチーズ、オリーブオイルの組み合わせは、イタリア料理(厳密には南イタリア)の代表格と言えるでしょう。
バジルの名の語源は「王」という意味のギリシャ語バジレウスです。
花言葉は「神聖」「高貴」「なんという幸運」など。
神様のハーブとして重宝されたバジルらしい言葉です。
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