知られざるタイムの効能。蜂蜜、ハーブティーの効果と育て方

肉料理の風味付けで欠かせないタイムは、日本ではあまり有名ではないハーブかもしれません。
しかし日本原産のタイムもあり、意外と身近にある存在です。

無数の小さな葉と、紫色の小さな花を咲かせる愛らしい植物で、観葉植物や庭をカバーする植物(グランドカバープランツ)としても人気があります。
簡単に育てられる、初心者向きのハーブです。

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特徴

シソ目シソ科イブキジャコウソウ属の常緑低木です。世界で350種類ほどあり、独特の薫りを持ちます。和名はイブキジャコウソウ。

丈は低いですが、木の仲間です。ラベンダーなどと同じく、茎は枝のように固くなり、木質の皮に覆われます。樹高は5~30cmほど。4~20mmほどの小さな葉を無数に付け、薄い紫やピンク、白の花を咲かせます。

高温、低温とも強く、少々水が切れても生き延びる大変丈夫なハーブです。唯一の欠点は高温多湿な気候。
梅雨以降の、湿度が高い時期は対策が必要です。

原産

原産はヨーロッパ、北アフリカ、アジア一帯など、北半球に広く分布します。日本原産のタイム「イブキジャコウソウ」は低い山から高山の日当たりが良い草地などに自生します。
イブキジャコウソウの薬効は少ないですが、鑑賞用として人気があります。

種類

※レモンタイム↑

日本でタイムは一般的に、コモンタイム(和名タチジャコウソウ)を指します。地中海沿岸が原産で、10~30cmほどの高さで群生します。この枝を香草やハーブティーなど、様々なものに活用します。

タイムにはコモンタイムのような真っ直ぐ育つ立木性の品種と、地面を這うほふく性の品種があります。クリーピングタイムは、ほふく性タイムの代表種。

葉に毛が生えたウーリータイム、レモンのような薫りの園芸品種レモンタイム、葉に白い縁取りがあるシルバータイム、薫りが強く香水やポプリの原料になるマスチックタイム(スパニッシュマジョラム)などが主な品種です。
種まき、または苗で育ちます。

育て方

種まき

種まきは4~5月ごろと9~10月ごろ、挿し木は4~6月ごろと、9~11月ごろが目安です。
アルカリ性の水はけの良い土壌を好みます。庭などに植える場合は2週間ほど前までに苦土石灰を混ぜて中和しましょう。

挿し木から育てる場合

種でも育ちますが、挿し木のほうがより簡単に手取り早く育ちます。挿し木で殖やすときは、木質化した古い枝は切り取って水に漬けます。

水やり・間引き・植え替え

種を蒔いたら土は被せず、そのまま霧吹きか蓮の実を付けたじょうろで優しく水分を与えます。適度に間引きながら、草丈が5~6cmくらいで植え替えましょう。
20~25cmくらいの間隔で植え付けます。

収穫のタイミング

ほぼ一年中葉を茂らせますが、厳冬期は枯れることもあります。枯れても根は生きているので、春になると復活します。
開花は5~7月ごろ。開花直前のタイムは最も薫りが強いので、ハーブとして使うなら花が咲く前に刈り取りましょう。

害虫について

害虫は一部のガの幼虫くらいで、気候変動にも耐える強い植物です。株が弱っていない限りは、肥料を与えなくても育ちます。(肥料を与えすぎると薫りが弱くなるので注意)

注意点

高い湿度だけは苦手なので、水はけに注意して管理しましょう。
梅雨が始まる前に、よけいな枝を刈り取って風通しを良くしておくと安心です。

エピソード

ミイラの防腐剤に使用されていた

タイムは地中海沿岸にも自生している植物で、人類史と共にあるハーブの一つです。
最も古いとされる記録は古代エジプトで、ミイラの防腐剤として用いられていました。タイムは優れた防腐効果がありますが、その効能は古代エジプトの時代に発見されていました。

語源や花言葉

古代ギリシャ、ローマ時代にも活用され、爽やかな薫りが重宝されていました。
勇気気品優雅さの象徴とされ、特に男性に愛されていたようです。タイムという名の語源は諸説ありますが、古代ギリシャ語で「勇気」を意味する「thumus」が語源だと言われています。
タイムが勇気の象徴とされる考えは中世ヨーロッパにも伝わり、「行動力」の象徴とされました。当時は兵士に女性がタイムを贈る習慣がありました。

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効果・効能

強い殺菌・防腐作用がある

タイムには強い抗菌、防腐作用があることが古くから知られています。

タイムの主成分、チモールとオイゲノールは高い殺菌作用があります。皮膚や呼吸器の菌を殺し、ウイルスを不活性化すると言われています。

殺菌力は非常に強く、なかなか薬が効かないピロリ菌も退治すると言われています。ピロリ菌は胃の中にいるので、ハーブティーやタイムハニーを食べるのがお勧めです。
感染予防の効果もあると言われています。

大きな副作用はないため、歯磨き粉やうがい薬など、様々なものにタイムの精油が添加されています。

糖尿病予防の効果も示唆する研究があります

タイムの成分は唾液に含まれる消化酵素αアミラーゼ、小腸で分泌されるαグルコシダーゼの分泌を邪魔します。これらの酵素はでんぷんを分解し、糖分に変えて体内に取り込む作用があります。

これらの作用が邪魔されることで、糖分が体に入りにくくする効果が期待できます。糖尿病予備群や糖尿病の方は、食前食後にタイムのハーブティーを飲むと良いでしょう。

ゴキブリ対策に

独特の薫りには害虫を寄せ付けない効果があり、ゴキブリなどを退けると言われています。

ゴキブリが潜んでいるような場所を清潔にし、タイムのポプリを置くと効果が期待できます。

タイムハニー(蜂蜜)について

日本ではあまり流通していませんが、クリーピングタイム(和名ヨウシュイブキジャコウソウ)の蜂蜜「タイムハニー」は欧米で重宝されています。

特にギリシャなど地中海沿岸のタイム蜂蜜は名産品と言われています。クリーピングタイムはヨーロッパ一帯~北アフリカと北アメリカのマサチューセッツ州やニューヨーク州などで自生します。

人類が手に入れた蜂蜜の中でも最古の部類と言われ、古代ギリシャの時代にはタイムハニーの養蜂が行われていました。
黄金色の蜜で、コシのあるどっしりとした甘みがあり、清涼感のある薫りがします。ハードタイプの濃い味のチーズと相性が良く、トーストやヨーグルト、煮物などにも重宝します。

抗酸化作用が強く、若々しい体作りにも効果が期待できます。

高い抗酸化力のある蜂蜜といえばマヌカハニーが有名ですが、色が濃く、独特のえぐみがあります。そのまま嘗めるならともかく、料理に併せにくい蜂蜜でもあります。

タイムハニーも独特の薫りが強いので好みは分かれると思いますが、マヌカハニーがどうしても口に合わない方は試してみると良いと思います。

タイムハニーにもマヌカハニー同様、強い抗菌作用が期待できます。

ハーブティーの効能

タイムのハーブティーは悪夢を退散させ、精神を安定させると言われています。神経衰弱などにも効果があるとされ、心が疲れている時にもお勧めです。

利用方法と注意

タイムは肉、魚料理の風味付けに用いられることが多いハーブです。
フランス料理で使われるブーケガルニの一つで、他の香草と凧糸で縛り、ゆっくり煮込むと良い風味のスープが作れます。
(凧糸がないときは、大きめのだしパックでも可)
ソーセージの風味付けにも用いられ、独特の爽やかな薫りと肉のうまみがよく合います。決して安価なものではありませんが、クセになる味わいです。
タイムは消化を促し、消化しにくい肉や魚の消化を手助けする効果も期待できます。

ヨーロッパだけでなく中東、カリブ海沿岸料理にも広く用いられます。

 

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