ゼラニウムは淡い紫色の花が美しい植物です。とても丈夫な植物で花をよく付けますが、肥料をたっぷり与える必要があります。
花を楽しむ園芸品種と、ハーブや食用として楽しむ品種があります。ここでは主にはハーブ用品種について説明します。
特徴
※センテッドゼラニウム↑
ゼラニウムはアフリカ最南端・喜望峰が原産のフウロソウ科・テンジクアオイ属の植物です。
多くの種類がありますが、ハーブとして使用するのは主にセンテッドゼラニウム（ニオイゼラニウム）。
香りを楽しむために品種改良されたゼラニウムで、ハーブ、料理、美容、園芸など様々なジャンルで活用されています。
効果・効能
ゼラニウムは抗菌、抗炎症作用が強く、傷を治す薬草としても使用できます。
ちょっとした火傷や怪我にゼラニウムを使うと、傷の癒えが早くなります。ぜひ一家に一つ欲しいところ。
傷だけではなく、様々な潰瘍などにも効果があると言われています。
肌の弾力を回復する効果もあるため、風呂に入れると美肌効果が期待できます。
精油で作ったアロマオイルでマッサージするのも効果的。
ゼラニウムティーを飲むことで、内部から改善が期待できるでしょう。
神経に作用するため、精神的な疲れを癒す効果も期待できます。
さらに副腎皮質ホルモンを刺激するため、ホルモンバランスが整い更年期障害や月経不順などが改善できる可能性があります。
虫除け効果のある「シトロネラール」という成分を含んでいるため、精油で安全な虫除け薬を作ることもできます。
ただ、効果はあまり強くないという説もあるため、過剰な期待は禁物です。服装など蚊に刺されない対策を同時に行いましょう。
SPONSORED LINK
利用方法と注意点
ハーブティー
リラックス、女性の不調（PMS、生理不順など）の改善に。シングルも良いですが、メリッサなど他のハーブとブレンドして飲むと、さらに高い効果が期待できます。
ハーブティーには葉の部分を使います。生ならティーポットに半分ほど、ドライハーブならカップ1杯に小さじ1の割合で抽出します。
念のため、妊娠中の方はお控え下さい。
アロマテラピー
※ローズゼラニウム
センテッドの他にローズゼラニウムなど、様々な種類の精油があります。
甘い香りの中に爽やかな青さを感じる独特なアロマです。品種により個性があるので、自分に合うものを選ぶと良いでしょう。
ローズ、ベルガモットなどと相性が良いアロマです。
芳香浴、マッサージなどにご活用下さい。
こちらも、妊娠中の方はお控え下さい。
料理
花はそのままお皿に飾って食用花に。一風変わった華やかなサラダが簡単に出来ます。無農薬のものを使いましょう。
葉は刻んで、焼き菓子に入れて楽しむことができます。
育て方
喜望峰は乾燥した草原地帯で、固有種が多く独自の生態系を築く地域として有名です。
そのためゼラニウムも湿度が苦手で、日光が大好き。挿し木で簡単に殖やすことができます。
開花は4月～11月と長いのが特徴。色は淡い紫から白、赤、ピンク、黄色など、小花から大輪まで様々な品種があります。
挿し木は4～6月と、9～10月の、比較的気候が安定した時期が適しています。
荒地で自生する植物なので生命力が強く、乾燥した場所ならすくすくと成長します。冬の寒さも比較的耐えますが、雪が積もると一気に枯れてしまいます。
雪が積もる地域では、冬の間は家に入れてあげましょう。
エピソード
ゼラニウムの故郷、喜望峰のある南アフリカはイギリスの植民地でした。そのためゼラニウムがイギリスに持ち込まれた時期も早く、17世紀には流入しています。
香水やハーブ、園芸植物として大いに活用され、フランスでは19世紀に香水原料として利用され始めました。
よくヨーロッパの宿で、窓辺に赤いゼラニウムを一輪飾ったものがありますが、これはインテリアではなく魔除けのためと言われています。赤いゼラニウムは災厄から家を守ると考えられています。
中東では、イスラム教の預言者マホメットの功績を讃え、アッラーが地上に授けた植物と言われています。地域を問わず、いかに身近で重宝されている植物かが分かりますね。
花言葉は「尊敬」「信頼」「真の友情」など。
薔薇と同じく、花の色によっても花言葉が異なります。白いゼラニウムは「あなたの愛を信じない」「優柔不断」というネガティブな意味があるので、人にプレゼントする時は念のため気を付けましょう。
コメントを残す