唐辛子の栄養と効果効能!種類と育て方(プランター栽培)

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ピリリと辛い唐辛子は、辛みの代名詞と言えるほど広く普及しました。

日本でも一味唐辛子や七味唐辛子、かんずり、ゆず胡椒など、幅広く活用しています。(ゆず胡椒の「胡椒」は唐辛子のこと)

ダイエットにも効果があると言われ、唐辛子風呂などがブームになったことも。

世界ではこの唐辛子を主食のように食べる地域もあります。もっとも身近なスパイスの一つ、唐辛子とはどのような植物でしょうか。

特徴

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唐辛子は、ナス科トウガラシ属の果実です。

この果実から作られた香辛料を指すこともあります。

トウガラシ=辛いというイメージがありますが、辛みのない甘味種と呼ばれる品種もあります。ピーマン、パプリカ、ししとうなどが代表的な甘味種です。

自家栽培したピーマンがたまに辛くなることがあります。

これは付近にトウガラシを栽培していることが原因で、互いに受粉してしまい、辛いピーマンが実ると言われています。

効果・効能・栄養

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ビタミンA、Cが豊富で、夏ばて防止に高い効果が期待できます。

暑い国で多く摂取する傾向があるのも、夏ばて防止の意味があると考えられています。

食用だけでなく虫除け効果もあり、米びつに入れると虫が付きにくいと言われています。
ほかの作物とともに栽培すると天然の除虫剤になります。(ただし、ピーマンのそばには植えてはいけません)

辛味成分はカプサイシンで、適量なら胃を元気にする作用があります。

カプサイシンは鳥類には辛さを感じないという性質があり、種を運んでくれる鳥にだけ食べさせ、ほ乳類が食べないように進化する過程で編み出された毒です。

人間には強い刺激があり、大量に食べると粘膜に傷が付き胃腸を痛めます。

しかも、ダメージを緩和するために脳内物質アドレナリンやエンドルフインを大量に放出します。

この脳内物質の中毒になることで、カプサイシン中毒に陥ることが知られています。

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利用方法と注意

カプサイシンには依存性があり、日本の気候で暮らしている限りは大量に食べないほうが良いでしょう。

味覚が破壊され、がん発生率を上昇し、脳細胞を破壊すると言われています。

カプサイシン摂取量が多い国はパニック障害、うつ病の割合が高いというデータもあります。

適量を守れば代謝が上がり、脂肪燃焼などダイエットに効果的です。

しかし依存性は深刻な問題なので、代謝上昇やダイエットだけが目的なら他の成分を使ったほうがより安心です。

妊娠中、授乳中の過剰摂取は控えましょう。

栽培

種類

トウガラシは多くの品種がありますが、栽培品種は5種類に分けられます。

トウガラシ、アヒ・アマリージョ、ハバネロなどに代表されるシネンセ種、プリッキーヌなどの仲間キダチトウガラシ、ロコトで、日本では主にトウガラシが栽培されます。

沖縄県や伊豆諸島では、キダチトウガラシの一種、島唐辛子が栽培されています。

育て方

唐辛子の育て方は比較的簡単ですが、寒さに弱く、霜が降りると枯れてしまいます。

典型的な一年草なので、昨今の異常気象では管理が難しいかもしれません。

出来ればプランターで栽培し、寒い日には家に入れるなど防寒対策に努めましょう。

種からでも栽培できますが、発芽率があまり良くなく管理が大変なので、初心者は苗をから育てたほうが無難です。

赤玉土6に腐葉土4、化成肥料を混ぜた土で育てると、ぐんぐん成長します。

酸性土を嫌うため、畑で栽培するなら石灰を混ぜ込んで中和させておきます。

肥料を多く求めるため、2週間に一度ほど化成肥料を根元に置いて補充します。

日当たりが良く、真夏でも直射日光で育てたほうが良いほど日光を好みます。

しかし根は浅い場所に張るため乾燥には大変弱いのが弱点です。

必ず毎日水を撒いて、乾燥を防ぎましょう。

畑で栽培するなら、真夏は敷きワラを敷いて乾燥を防ぎます。

苗の植え受けは4月中旬以降が良いとされていますが、天候が不安定な時期なので保温に気を付けます。20℃以上の温度が最適な時期です。

唐辛子を実らせるためには、「芽かき」という作業が欠かせません。

一番はじめに咲く花がつぼみのうちに、葉の付け根から出る芽を一番上とその次のもの以外すべてつみ取ります。

芽かきをすることで枝が十分に伸び、多くの花や実を実らせます。

開花~

5月中旬ごろから8月中旬ごろに花を咲かせ、実を付けます。未熟な青い実は辛みが少なく、料理にも使いやすいものです。

熟すと真っ赤に色づきますが、かなりの量が採れるので使い道に迷うことも。乾燥させて鷹の爪にする、オイル漬け、醤油漬け、酢漬けにするなど、加工すると消費しやすいです。
ペースト状にすりつぶし、ゆず胡椒を自作する地方もあります。

エピソード

中南米原産で、紀元前6000年ごろから栽培されている最古の香辛料の一つです。

しかし世界に広まったのは遅く、15世紀ごろからです。

広まるきっかけ

世界に広げるきっかけになったのは、アメリカ大陸を発見したコロンブスでした。

しかし彼は死ぬまでアメリカ大陸をインドと思い込んでいたため、唐辛子をインドの作物である胡椒の一種だと思い、「ペッパー」と呼びました。

ペッパーは胡椒の意味ですが、胡椒と混同するため「レッドペッパー red pepper」と呼んで区別しています。

コロンブスがスペインに持ち帰った際はすぐに廃れてしまいましたが、後にブラジルで発見したポルトガル人が祖国に持ち込んだことで、世界に広がる足がかりになりました。

南ヨーロッパでは自給自足できる胡椒の代わりになる香辛料として人気を博し、イタリア料理に広く用いられています。

オリーブオイルと唐辛子、にんにくで風味を付けるアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノは代表的な料理です。

やがて16世紀にインドに伝来し、新たな香辛料の一つに加えられました。

日本では

日本には1542年にポルトガル人が伝えたとされています。

当時は南蛮胡椒と言われ、伝来当初は鑑賞用や霜焼け防止薬などに使われていました。

やがて日本から韓国へ伝来し、重要な香辛料としての地位を確立します。当初は倭国(日本)から来たため、「倭辛子」と呼ばれていました。

唐辛子を好む国

唐辛子を大量に使う国や地域は多く、メキシコ、西アフリカ、タイ、中国の四川省と湖南省など、暑い地域で広く流通しています。

しかし暑い地域でもメキシコの隣国キューバでは「辛いものを食べるとおなかを壊す」と言い、一切食べません。

逆に、寒さが厳しいブータンや韓国でも好まれています。

特にブータン料理は主食のように唐辛子が出てくることで知られ、豚肉と唐辛子の煮込みパクシャパ、唐辛子とチーズ、野菜を煮込んだエマダツィ、唐辛子の漬け物エズェなど、様々な唐辛子料理があります。

某グルメドラマで紹介され、ネットでは一躍有名になりました。

これらの地域では唐辛子が伝来する前は、胡椒や山椒を使っていました。

日本では一味唐辛子や、材料を混ぜて発酵させた「かんずり」など唐辛子味噌、ゆず胡椒などが普及しています。

汁物や鍋のアクセントに重宝します。

 

世界一辛い唐辛子

世界一辛いと言われるブート・ジョロキアはピーマンの855,000倍もの辛さがあります。

採取や調理には手袋、ゴーグル、マスクが必須。

インドでは生食や香辛料に、発汗を促す民間薬として使用されています。

畑を荒らすゾウ避けに、柵にジョロキアの汁を塗ることもあります。

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