ハトムギの効果効能と栄養価♪美容健康にお茶や化粧水が人気

ハトムギは保湿効果が高く、化粧水などによく活用されています。
民間療法ではイボ取りの特効薬として用いられることも。
食べることもでき、雑穀米に含まれていることも珍しくありません。

食用から美容まで大いに役立つ、ハトムギとはどのような植物でしょうか。

特徴

ハトムギは、イネ科ジュズダマ属の一年草です。よく野原などで取れる、ガラス玉のように固いジュズダマと同じ種類。ジュズダマは雑草ですが、ハトムギは人が育てなければ採取できません。
英語ではPearl Barleyと呼ばれます。意味は「真珠の麦」。
原産地は中国南部~インドシナ半島と考えられています。そのため中医学では古くから用いられ、「ヨクイニン」という名で処方されます。

栽培方法・育て方

成長は作物としてはゆっくりで、種蒔きから収穫まで160日ほどかかります。8~10月に花を咲かせ、9~10月ごろに実を結びます。
実を結ぶまで1ヶ月ほどかかるため、生育の手間がかかる作物です。

じめじめした土地でも育つので、水田でも畑でも育てることが可能。耕作放棄された農地の再生作物としても重宝されています。ただ、種が発芽する際は水を嫌うため、水田栽培の場合はイネと同じく、苗は地上で育てます。

畑で育てる場合は霜が降りる季節が終わり、平均気温15℃くらいが種蒔きシーズンです。
15cmくらいの間隔で、3粒ほど蒔いて育てます。2cmほどの穴を空けて、そこに蒔きます。
70%ほどが実ったら収穫時期です。
収穫できるのは秋ごろですが、暖かい地域の植物なので霜が降りると全滅する可能性があります。急に冷えてきたら、少し早すぎてもすぐに収穫しましょう。

水枯れには弱いため、たっぷりめに水を与え続けます。

エピソード

東南アジアでは非常に重要な作物だった歴史があります。トウモロコシが移入されるまでは、東南アジアでは米の代用として重宝されていました。
原産地のインドシナ半島では古代から栽培され、タイでは多くの品種があります。

中国では薬効があると考えられ、中医薬として用いられています。腫瘍を小さくし、利尿作用があるとされています。

特にイボを消す効果があることで有名で、日本でも漢方薬やサプリメントなどで内服することは珍しくありません。

ハトムギは、皮膚科で保険治療が適用されるほど実証されている有効成分です。しかし、皮膚科で処方される時は「ウイルス性のイボ(ユウゼイ)」だけ。

はっきりとした作用機序は分かっていませんが、ウイルス性いぼの原因ヒトパピローマウイルスに、ハトムギの有効成分が何らかの働きをしていると推測されています。

長期間服用を続け、またはイボに塗ることで改善すると言われています。ただし老人性角化症(首の周囲などに出来る、黒いイボ)には効果が薄いという説もあります。
一方で、長期間使用することで、徐々に老人性角化症が改善するという声もあります。

日本に輸入されたのは300年ほど前で、「唐麦(からむぎ)」と呼ばれていました。現在の名称「ハトムギ」は明治時代に付けられた名前です。
ポピュラーな雑穀のわりに輸入されたのが遅かったのは、日本の寒冷な気候が温暖な気候を好むハトムギに合わなかったからかもしれません。

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効果・効能

イボ取り

ハトムギにはコイクセラロイドという成分が含まれています。中医学の医師は、この成分がイボ取りに効果があると考え、いくつも論文を提出しています。
コイクセラノイドは肌の角質の代謝を高める作用があるとされ、イボ取りに効果があると言われています。

脂質の代謝アップ

脂質代謝を促す9-ヒドロキシ-オクタデカン酸も含まれています。細胞にグルコースの取り込みを進める作用があり、脂肪に蓄積させず速やかにエネルギーに替える効果が期待できます。

アレルギー抑制効果

アレルギーの原因、ヒスタミンを抑制する働きもあり、アレルギーを抑える効果もあると言われています。

栄養価

栄養価にも優れ、白米に比べて2倍のタンパク質(アミノ酸)を含み、ビタミンB、鉄分、カルシウム、脂質、食物繊維などが豊富です。
かつてはお米の代わりに食べられていたのも、この栄養価の高さなら納得できます。
ビタミンBは肌の健全性を保つために欠かせない栄養素です。「ハトムギが肌に良い」と言われるのは、ビタミンBのおかげかもしれません。各種アミノ酸も、肌や体を作る材料として欠かせないものです。

利尿作用があり、デトックス効果も期待できます。豊富な食物繊維が、余分な水分や毒の排出を促します。

利用方法と注意

妊婦は使用を控える

中医学では、妊婦が食べると流産すると言われ、禁忌とされています。はと麦茶はもちろん、雑穀として食べることも、化粧水なども控えましょう。
ノンカフェイン飲料ではハトムギを含んだものが多いため、何種類も使っているものは注意しましょう。

化粧水など

ハトムギの化粧水はニキビに効果があると言われ、口コミでも一定の支持があります。
美容水としての利用が多く、乳液、保湿ジェル、クリーム、パック、水おしろい、石鹸などに添加されることもあります。

中にはハンドクリームで有名なニベアと合わせて化粧クリーム代わりにすることも。肌にツヤと潤いを与えてくれます。

食用

食用には、ハトムギ粉と粒のハトムギがあります。ハトムギ粉は小麦粉やきなこの代用として、パンケーキやクッキー、きなこ餅(ハトムギ粉をまぶした餅)などに重宝します。
粒のハトムギは、汚れが落ちるまで何度か水洗いした後に、長時間(3時間以上)水に浸して吸水します。
水を入れ替えて、鍋にハトムギの3倍以上の水を加えて30~40ほど煮れば完成です。
手間がかかるので、大量に炊いて小分け冷凍させておくと便利です。「食べる美容液」と言われることもあり、様々な効果が期待できます。
食べ方はスープや煮物の付け合わせやサラダの具、ごはんに混ぜて「ハトムギご飯」として食べても美味しく頂けます。

西洋食にも導入され、ポン菓子にしてシリアルとして使われることもあります。

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