肉料理に!セージの効能と育て方♪焚いた煙で部屋の浄化にも

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ソーセージの中に、薫りの強いハーブが入ったものを食べたことがあるかもしれません。セージはハーブティーや肉の加工によく使われるハーブです。
花も可憐で、園芸用の品種も多数あります。
セージとは、どのような植物でしょうか。

特徴

セージはシソ科アキギリ属の多年草です。和名を薬用サルビアといい、サルビアの近縁種です。
食用品種、園芸品種など様々な種類があるのが特徴です。区別するためにヤクヨウサルビアはコモン・セージと呼ばれることもあります。
初夏に、紫色のかわいい花を咲かせます。

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効果・効能

セージには渋み成分タンニン、抗酸化作用のあるフラボノイドを始め、フェノール酸など様々な成分が含まれています。
タンニンは収れん作用があり、月経過多や多汗を抑える作用があります。これは古代ローマ人の記述通りの作用で、古代の人々の観察力の高さには驚かされます。
ハーブの中でも、ローズヒップに並んで抗酸化作用の強い植物で、若々しい体作りには欠かせません。風通しの良い庭があるなら、ぜひセージを植えて「老い知らず」の習慣を付けたいですね。

セージの葉から採取する精油には、希少成分ツヨン、シオネール、ボルネオール、カンファーなどの成分があります。
セージは強い抗菌作用がありますが、この正体はツヨンです。爽やかな薫り成分でもあり、肉料理をさっぱりさせる効果もあります。
シオネールには芳香と爽やかな味わいがあり、炎症止めの効果もあります。食品添加物など幅広く用いられ、医療では副鼻くう炎の治療に用いられることも。
ボルネオールはアロマに欠かせない成分で、強壮効果抗ウイルス抗うつ作用があると言われています。風邪をひいた時などに用いると、特に大きな効果が期待できます。
カンファーは伝統的な防虫剤、樟脳(ショウノウ)のことです。着物やひな人形など日本人形の保存などに用いられます。
血行促進消炎沈痛作用もあり、医薬品としても用いられています。古代ローマ人やヨーロッパ人が万能薬と絶賛していたのも、これらの成分を見れば納得です。

お部屋の浄化にも

さらに、「部屋を浄化する力」があると言われ、引っ越し時に新居で炊いたり、セージ入りのキャンドルを灯したりすることもあります。
使い古したパワーストーンに、セージの煙をかけると浄化するという声も。なんとなく雰囲気が良くない場所には、セージで浄化するということも行われています。

利用方法と注意

妊婦さんダメ

強い収れん作用(縮める作用)があるため、子宮を収縮させてしまう作用もあると言われています。そのため、妊婦さんは使用できません。
逆に、母乳の分泌を抑える作用はあるため、卒乳を促すときには重宝します。乳腺炎の予防も期待できます。
しかし、セージには痙攣を促す作用もあるため、セージを飲んだ後の授乳は絶対に控えましょう。赤ちゃんがけいれんを起こす可能性があります

ハーブティーや精油

セージの強力な作用で喉の痛み、口内炎などを改善する効果が期待できます。ハーブティーを飲むだけでなく、濃いハーブティーを作り、うがいをすることで、これらの病状を予防できると言われています。
使い方はハーブティーだけでなく、精油を炊いてアロマテラピーとして用いても効果が期待できます。

肉料理に相性良い

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ソーセージに混ぜて使うのが有名ですが、肉料理に乾燥セージを少量振るだけでも活用できます。特に豚肉と相性が良く、脂が多いバラ肉を爽やかに食べることができます。

ここでは、羊腸を使わない簡単ソーセージのレシピをご紹介します。ハーブは下記のもの以外でも、お好きなものを入れて下さい。

皮なしソーセージのレシピ

  • 脂つき豚肉 450gほど
  • 塩 小さじ1と1/2
  • 砂糖 塩と同量
  • おろし玉ねぎ 小さじ2
  • おろしにんにく 小さじ2
  • 牛乳、ワイン 各大さじ1
  • コーンスターチ 大さじ2
  • パセリ、黒こしょう、セージ、オレガノなど 適量
  1. 豚肉を適度なサイズに切り、フードプロセッサーに入れます。
    塩とコーンスターチ、香辛料とともに入れ、ミンチ状にします。
    初めから豚ミンチを買うと簡単ですが、自分で挽くほうがより美味しくなります。
  2. 1をボウルに入れ、牛乳、ワインを少しづつ加えて、手で混ぜます。混ぜたら適度な大きさに丸めて手のひらに叩きつけ、空気抜きを行います。
    終わったらラップをかけ、1時間ほど冷蔵庫で冷やしましょう。
  3. 食べたいサイズに整形し、オーブンで15分ほど焼けば完成。

※2の状態で冷凍し、サルシッチャ(イタリアの皮なしソーセージ)のようにパスタのソースに直接入れて煮込んでも美味しく頂けます。

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育て方

地中海原産で、50~70cmほどの高さに成長します。
挿し木と種で育てる方法がありますが、ここでは種から育てる方法を説明します。
地中海原産のため、乾燥した水はけの良い、風通しと日当たりの良い環境を好みます。梅雨や夏の暑さには弱いので、夏場は半日陰を作り、梅雨の前までに込み入った枝をカットして風通しを良くするなど、工夫が必要です。
ある程度茎が伸びたら、先端の芽を摘み取る「摘心」を行います。摘心をすると数本の芽が伸び、さらに枝葉を増やすことができます。

種まき

種まきは3~4月と9~10月に蒔きます。まずは種苗用ポットに植え、1ヶ月ほど経ったら大きな鉢や庭に植え替えます。
水やりは、鉢や地面が乾燥したら、たっぷり与えましょう。特に夏場は根が生育する時期なので、多くの水を欲します。逆に、冬は休息期間なので、乾燥気味に与えます。
肥料は4~6月、8月下旬~10月ごろに、多めに与えましょう。

開花

花は4月下旬から6月ごろまで楽しめます。春蒔きの株は翌年に花を咲かせるので、すぐに花を楽しみたいなら苗や挿し木がお勧めです。
花を楽しむ場合は、春に枝を刈り込むのは控えましょう。せっかくの花芽まで刈り込んでしまうからです。

冬の対策

冬になる前に、枝を1/3ほど刈り込んで霜に備えます。根本にワラなどを敷いて保温すると良いでしょう。

挿し木の作り方

年月を重ね、大きな株になったサルビアは、ラベンダーのように根本が木のように変形します。これは老化のサインで株の勢いが落ちるため、挿し木を作って次世代を育てましょう。
春か秋ごろに、適度な枝を15cmほど切って水に浸し、湿ったバーミキュライトに植え付けます。20日ほどで根が出るので、鉢などに植え替えましょう。
「とり木」という方法でも苗が作れます。長い茎を地面に這わせ、途中を土に埋めます。1ヶ月ほどで、埋めた場所から根が生えるため、これを苗にします。

ハーブのわりには害虫に弱く、センチュウやダニにやられることも。丈夫な株に育てることで、これらの害をある程度予防できます。

エピソード

古代ギリシャ、ローマ時代から薬効があることが知られ、紀元前300年に記された古代ギリシャの学者テオフラストスの「植物誌」で紹介されています。
その後も紀元後77年に「プリニウス博物誌」の植物薬剤編にも紹介され、当時から広く使われていたことを伺わせます。
ぶどう酒と飲むと生理不順が改善し、煎じたものを飲むと月経過多を改善する、セージの葉を傷口に貼ると止血できる、などと紹介されています。

ローマ軍は1世紀ごろに、イギリスに侵攻します。その際、ローマ兵が道ばたにセージの種を蒔き歩いたため、イギリスにセージが伝わったと言われています。
やがてドイツにもセージの効能が伝わり、万能薬と重宝されていました。
料理にも盛んに用いられ、ドイツ料理に欠かせない豚肉料理と相性が大変良く、ドイツ料理にとってのセージは日本料理のネギやシソと同じほど身近な存在になりました。
セージには防腐作用があるため、肉の風味付けだけではなく腐敗防止にも役だったと言われています。「ソーセージ」という言葉の語源はセージという説があるほど、生活に密接したハーブでした。

17世紀のイギリスでは造血作用や記憶力向上などに効果があると言われ、肝臓を労る効能があると言われていました。
この時代からヨーロッパに中国から紅茶が伝えられます。当時の紅茶は貴重品なのもあり、セージをブレンドして飲まれていたと言われています。

中国や中東では、庭にセージを植えると老いることはないと言われていました。
日本には明治時代に輸入され、現在ではハーブティーや精油、園芸などで広く普及しています。スーパーのスパイスコーナーにも置いていることがあります。

花言葉は「幸福な家庭」「家庭の徳」など。お母さんにプレゼントしたいですね。

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