滋養強壮!高麗人参の効果効能♪サプリなど副作用にも注意

たくさん枝分かれしている小さな白い大根のような姿が有名な高麗人参は、昔から滋養強壮の漢方薬として重宝されています。
「何となく効果があるのは知ってるけど、どんな効果があるのかは知らない」方は以外と多いのではないでしょうか。
ここでは高麗人参の効能と使ってはいけないケース、料理のレシピなどをご紹介します。

特徴

高麗人参は、キキョウ類セリ目ウコギ科の多年草です。和名はオタネニンジン(御種人参)。
人参という名前ですが、西洋野菜の人参とは全く異なる植物です。
同じウコギ科の植物には、山菜で有名なウドタラノキ、コシアブラや、観葉植物のヤツデ、キヅタなどがあります。
欧米で人気の高い薬効植物エゾウコギや、薬効が高い田七人参もウコギ科の植物。
原産地は大連などの都市がある遼東半島(中国と北朝鮮の国境付近にある半島)から朝鮮半島と言われ、この地域からロシア沿海にかけて自生しています。
しかし乱獲などの影響で、天然の高麗人参は滅多に採取できません。市販されているものの大半は栽培されたものです。

栽培

土作りから収穫まで最低5年はかかるため、栽培の難易度は極めて高い植物です。しかし日本の環境でも栽培できるため、自宅栽培用の種や苗も市販されています。
高麗人参は種から育てるのが一般的。(苗もあります)
日差しに弱く、適度に日光を遮る必要があります。さらに有機肥料など自然の素材を使った豊かな土壌が必要です。
(化学肥料は成長を阻害するとされています)
土作りに最低1年、種を植えてから花が咲くまで最低4年かかります。高麗人参は花が咲き、実が成ると収穫ができます。
6年育てたものが、最も薬効が高いとされています。収穫後は連作障害を防ぐために数年~10年ほど土地を寝かせ、再び1年以上かけて土壌改良を行います。
気軽に家庭菜園、などという軽い気持ちではとても栽培できません。気長に、家族のように養い続ける必要があります。

エピソード

もともと、「人参」という名前は高麗人参のことを指す言葉でした。野菜の人参は「せりにんじん」という名前で呼ばれていました。
区別するために、現在では高麗人参と呼ばれています。

古来から中医学や漢方などでは有名な生薬で、血行促進やエネルギーを高める効果が期待できます。

伝統的には、消化吸収の力が低下しているとき、貧血、神経衰弱、性機能衰弱などに用いられていました。
ドイツのコミッションEというハーブの安全審査を行う研究機関では、疲労回復、病後の改善、衰弱などに効果があることを実証しています。

昔から中国、朝鮮半島で栽培され、高額で取引されていました。現在も70%がこの地域で栽培されています。
大陸産のイメージが強いですが、日本でも少数ながら栽培している地域があります。
日本では徳川吉宗の時代に栽培が始まり、各地の大名に広めました。和名のオタネニンジンは、将軍から高麗人参の「御種」を与えられたことに由来します。

江戸時代までは大変な高級品でした。現在も6年ものの質の高いものは、高値で取引されています。

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効果・効能

根に含まれる成分にはサポニンの一種、ジンセノサイドが豊富に含まれています。糖尿病、動脈硬化、滋養強壮などに優れた効能があるとされています。
高麗人参のジンセノサイドの含有量は桁違いに多く、他の種類のサポニンもたくさん含まれています。
自律神経を整え、低血圧を改善する働きがあると言われています。

高麗人参は、服用できない人や症状があります。
発熱や熱を持った腫れ物など、体に炎症がある時は服用できません。風邪薬のつもりで安易に服用すると悪化しかねないので、気をつけましょう。
女性ホルモンに近い働きをするため、女性ホルモンで悪化する乳がん、子宮がん、子宮内膜症、子宮筋腫の方は服用を避けたほうが良いとされています。

専門的な話になりますが、漢方で「実証」と言われる体質の方は、高麗人参は不向きです。
漢方では人の体質を「実証」「虚証」というカテゴリーに分けて考えます。
一般的に治療の場合、「実証」は外部からの有害物が体に充満して病気になった状態、「虚証」は体からエネルギーが出てしまい、生命力が低下した状態を指します。
実証の方は一見、健康的でエネルギッシュに見えます。体力があり、汗をかきにくく、顔が赤い、呼吸が荒く声が甲高い、興奮しやすい、活発、血圧が高いなどの特徴がある人は実証に偏っています。
企業家や運動会系にありがちな傾向ですが、漢方ではこれをバランスを欠けた状態=病気と考えます。
漢方では虚証と実証のバランスが取れた「中庸」が健康と考え、いかに中庸に近づけるかを考えます。
高麗人参は、虚証を改善することを得意とする生薬。実証の方が服用すると、ますますバランスを崩しまい逆効果になりかねません。

尿が減る作用があるため、腎機能不全の方も控えましょう。

利用方法と注意

高麗人参は、漢方などで煮出して服用するのが一般的でした。
しかし時間がかかるため、最近ではサプリメントやエキス、粉末などで簡単に摂取できます。酒に漬けた薬用酒、化粧品などに添加されることもあります。
高価な濃縮液も販売されています。

高麗人参は胎児の奇形などを引き起こすことがあるという報告があります。念のため、妊婦さんは避けましょう。

漢方の原料で使うことが多いですが、煮物や天ぷらなどに使用することがあります。
ここでは最も一般的なレシピ、サムゲタンを紹介します。

簡単サムゲタン

サムゲタンは血流改善などに効果があるとされ、女性に人気のメニューです。
本来は鶏まるごと1羽使いますが、手羽で簡単に作ることができます。
サムゲタン用の安価な高麗人参は、中華街や通販などで入手できます。韓国では高麗人参やナツメなどがセットになった、サムゲタンキットが販売されています。

  • 手羽元や手羽先 8本
  • もち米 1/2カップ
  • 水 1L
  • 白ねぎ 1本
  • ショウガ 2~3cmくらい
  • にんにく 2片
  • ごぼう 1本
  • 顆粒の鶏ガラスープ 小さじ2
  • 塩、黒胡椒 適量
  • 高麗人参 1本
  • 栗、なつめ、クコの実など 適量

もち米は水に1時間以上漬けておきます。
にんにくを潰し、ショウガは皮つきで3mmほどにスライスします。ごぼうは洗って5cmくらい、白ネギは白い部分を小口切りにし、青い部分はそのまま煮込みます。

すべて鍋に入れ、水を入れてじっくり煮込み、30~60分くらいで完成です。
塩や胡椒は、食べるときに振りかけます。

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