薬味の定番!わさび(山葵)の栄養と効果効能♪栽培できる?

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ツーンと鼻に抜ける独特の辛さが楽しめるわさび。子供のころは苦手だったけど、大人になって大好きになった方も多いかと思います。
唐辛子や西洋辛子とは全く異なる辛みです。
練りわさぎチューブで買う方が大半ですが、根(地下茎)はもちろん、花も葉もおいしく食べられる万能野菜でもあります。

特徴

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わさびは、アブラナ科ワサビ属の多年草です。
日本原産の植物で、本州、四国、九州、ロシアのサハリンなどで自生しています。
地下茎を鮫皮ですりおろした「おろしわさび」は薬味として世界的に有名です。寿司、丼の薬味、マヨネーズ、ソースなど調味料、お菓子など、様々な用途で食べられています。
しかし日本で自生のさわびを手に入れるのは難しく、流通するものの大半は栽培されたものです。
直射日光を嫌い、流水を好みます。野生では、清らかな清流が流れる小川のほとりに自生しています。
水は好きですが、沼のように停滞した水は苦手。濁った水では育たないと言われています。

効果効能

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抗菌作用が非常に強く、生魚を食べる寿司の食中毒予防が期待できます。
独特の辛み成分はアリルイソチオシアネートをはじめ、複数の成分の作用です。

アリルイソチオチアネートは、わさびが放出するです。この成分に触れると殺菌作用で他の植物は生育できず、わさびにとって育ちやすい環境が保てます。
しかし、自分自身も毒が回り、根茎が育ちにくくなります。畑わさびの地下茎が大きくならないのは、この作用のためです。
水わさびは、流水がこの毒を洗い流してくれるので大きく育つことができます。

植物にとっては毒のアリルイソチオチアネートですが、人体には良い作用を及ぼします。老化を防ぐ体内酵素を活性化させ、抗アレルギー効果があると言われています。

他にも、わさびスルフィニルという物質も含まれています。辛み成分はなく、記憶力向上、細胞の再生強化、骨密度を増やす、認知症予防など、様々な効果があることで知られています。

利用方法と注意

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わさびの有効成分は揮発性のものが大半です。すりおろしてから、すぐに使いましょう。
生の魚に大変よく合いますが、パスタやローストビーフ、ステーキなどにも合います。外国人もわさびの美味しさに気づいたため、様々な食べ方が広がっています。

わさびを醤油に溶かして使うことがありますが、風味を味わいたいならあまりお勧めできません。
醤油のメチオノールという成分がわさびの風味を消してしまうため、折角のわさびの良さが消えてしまう、という意見もあります。
ある程度辛味を和らげる効果があるので、わさびが苦手な方や、子供が初めて試すには良いと思います。

わさびの成分、スルフィニルにはアンチエイジング効果があると言われ、ダイエットにも有効という意見も。
毎日3gほど食べると効果があると言われています。
ただし、スーパーなどで販売されている、チューブのものはホースラディッシュが混ざっているので、効果は期待できません。
出来れば地下茎をまるごと手に入れてすりおろすか、無理なら「本わさび」と書かれたものを選びましょう。
価格は高めですが、百貨店や自然食品の店では、国産100%のわさびチューブもあります。

 

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栽培方法

わさびの育て方には2種類あり、清流の浅瀬を開墾したわさび畑で育てる「水わさび(沢わさび)」と、ほかの農作物と同じく畑で育てる「畑わさび(丘わさび)」があります。
よく旅行番組などで見かける、川一面にびっしり育つ沢わさびは、特殊な環境下がなければとても栽培できません。
自家栽培するなら、畑わさびを育ててみましょう。根はあまり育ちませんが、風味豊かな葉や花を楽しめます。

9月下旬から10月に植え付けると、3月下旬~5月上旬ごろに花を咲かせます。肥料は4~6月、9~10月に与えましょう。

水を好むわさびの育て方は独特です。底の穴に栓をして、水が貯められるプランターを用意し、川砂を入れます。
わさびの苗を植え付け、砂の上2cmくらいまで水を入れて育てます。
水は流水で育てるのが理想ですが、水道代がかかるので、濁る前にこまめに交換します。
温度管理はかなり難しく、8~20℃くらいが適温です。30℃を越えると生育を止めてしまうと言われています。
そのため暖かい地域での栽培は、山間部を除いて厳しいかもしれません。
直射日光を嫌うため、布などで覆い日陰を作ります。プロの農家では、黒い布で覆うことも。

肥料はチッソの少ない顆粒状のものをネットに包み、わさびのプランターに浮かべておきます。
春と秋、生育が盛んな時期に与えましょう。

株を植え付けて、2年で収穫できます。一般的には春から夏にかけてが収穫期で、非常に美味しい葉が食べられます。
花は、種を取る目的がなければ、つぼみのうちに摘んでしまいましょう。つぼみも花も、美味しく頂けます。

アブラナ科植物なので、アオムシの好物です。葉を食べられることがあり、放っておくと食い尽くされてしまいます。
虫食い葉を見つけたら葉の裏側を点検し、早め早めに駆除しましょう。

 エピソード

わさびは、日本独自のスパイスとして諸外国から注目されています。英語ではWasabiと呼ぶほど。(Japanese horseradishとも言います)
そのため、日本の歴史にも古くから記述があります。

最古の記録だと言われているのは685年で、わさびを入れた入れ物の札が出土しています。
日本最古の漢方本「本草和名」にも登場し、「和佐比」という当て字で記録されています。
奈良時代には、わさびで物納していた記録もあり、税金に相当する重要な植物と考えられていたと推測されます。

本格的に普及したのは江戸時代と言われています。
蕎麦や寿司が普及し、薬味のわさびが人気を博しました。しかし当時はまだ自生のわさびで、効率よく流通できません。
そこで、静岡県葵区有東木(うとうぎ)で栽培が始まりました。
徳川家康に献上されると大変喜ばれ、ほかの地域で栽培することを禁じ、幕府の庇護を受けることになりました。
徳川家の家紋、葵の名を冠した地名なのはその名残でしょう。現在でも静岡県は長野県に並ぶ、日本有数の栽培地です。
島根県、山梨県、岩手県、奈良県、東京都(奥多摩)でも栽培が盛んです。

海外でも栽培が始まり、台湾の南部、ニュージーランド、中国雲南省、イギリス南部ドーセット州などで収穫されています。

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