モリンガ(ワサビノキ)は、まだ日本ではなじみが薄いハーブかもしれません。
しかし優れた消臭力があり、体臭に悩む方にはぜひ試して頂きたいハーブです。
他にも様々な効能があり、ブームの兆しも見えるモリンガとは、どのような植物でしょうか。
特徴
モリンガはアブラナ目ワサビノキ科の樹木です。葉、種、樹皮、根など、ありとあらゆるところが利用できる万能植物。葉を乾燥させて砕いたモリンガティー、種を絞ったモリンガオイルが有名です。
モリンガはインドが原産と考えられ、干ばつにとても強い植物です。現地では種の入ったサヤや葉を野菜として食べる習慣があります。
成長はとても早く、高さ10メートル以上、幹の直径は45cmまで成長します。環境が良ければ、一年中良い薫りの花を咲かせ続けます。
急成長し、砂漠のような乾燥した砂の土壌を好み、寒さにはとても弱い植物なので、日本で栽培するのは難しいと考えて良いでしょう。
ハーブとしての利用はもちろん、タラの芽のように野菜として育てる国もあります。垣根や防風林、土壌浸食を防ぐために植えることもあります。
台湾、東南~南アジア、アフリカ各地、中央~南アメリカとカリブ海の島々、オセラニアの諸島などで栽培されています。最大の生産国はインドです。
日本でも僅かながら、沖縄や熊本などで栽培が始まっています。
エピソード
モリンガは古代から人々に恩恵を与え続けている樹木です。紀元前2500年ごろに興ったインダス文明では、アーユルヴェーダという古代医学が確立します。
その中でモリンガは、300もの病気を防ぐ効果があると記載されています。
旧約聖書にもモリンガが登場します。
古代エジプトで酷い目に遭っていたユダヤ人のモーセという人が、仲間たちとともにエジプトから出ていきます。
モーセは神様と話せる力があり、多くのピンチを神様の助言で乗り切ります。
やがて荒野まで逃れますが、どれだけ行っても飲み水すらありません。やっと水のある地域に着いても、その水は濁っていて、とても飲めたものではありませんでした。
モーセは何とかならないかと神様に尋ねると、神様は一本の木を水の中に入れることを勧めました。すると水が浄化され、みんなが喉を潤すことができました。
この木がモリンガだと言われています。
実際に、モリンガは飲み水を浄化する力があり、現在でも暑い貧困地域ではモリンガで浄水を行うことがあります。
モリンガは過去から大いに活用されていましたが、現在ますます需要が高まっています。
成長するときには普通の植物の20倍も二酸化炭素を吸収し、温暖化防止を食い止める可能性が示唆されています。
サヤはインゲンマメのように茹でて食べることができ、栄養も豊富です。特に貧しい地域では大事な栄養源の一つになっています。
花はとても良い薫りで香水になり、花茶は強壮剤にもなります。
葉はハーブティーやサプリメントの原料になり、種には殺菌作用があり、絞った油は最高品質の工業油になります。
豆を絞った絞りかすは水の浄化材や肥料、家畜の餌になります。
根はリウマチ薬になり、カレーの原料にも。幹は良質なパルプに、樹皮はロープの原料に・・・と、あらゆる方向で大活躍します。
人口爆発による食糧不足、Co2増加による気候変動など、現代は多くの問題を抱えています。モリンガはその解決に役立つ可能性がある植物です。
効果・効能
一般にモリンガティーは、モリンガの葉を使います。
抗酸化作用が強く、アンチエイジングから生活習慣病の改善などが期待できます。
食物繊維が豊富で、血中糖度を下げる効果もあるとされ、糖尿病予防にも効果があると言われています。
炎症抑制や抗菌作用もあり、風邪予防の効果も期待できます。デトックス効果も強いとされ、腸内環境の改善にも効果があると言われています。
モリンガの葉は、優れた消臭効果があります。体臭改善に効果があるとされ、アメリカなどではモリンガのサプリメントが大人気です。
トイレの臭いが気になるという方や、年老いた家族やペットの臭いが気になる時は、定期的にモリンガティーを飲んでもらうと良いでしょう。
カフェインのない緑茶のような爽やかな色と味で、クセがなく、どれだけ飲んでも胸焼けしません。麦茶や番茶の代わりに飲む習慣を付けると良いでしょう。
出涸らしは乾かして、乾燥パセリの代わりに使うことができます。こちらにも強い消臭作用があります。
フィリピンやインドネシアでは、モリンガには母乳がよく出る効果があると信じられています。原理は不明ですが、モリンガの豊富な栄養素がエネルギーを大量に使う授乳に役立つのかもしれません。
利用方法と注意
ラットの実験ですが、モリンガを大量に摂取した妊娠ラットが流産したという結果が出ています。
妊婦さんは摂取を控えましょう。
糖尿病の薬を飲む方がモリンガを摂取すると、血糖値が下がりすぎるおそれがあると言われます。必ず主治医と相談してから摂取しましょう。
モリンガの葉のハーブティーは、高温で煎れると折角の栄養価が壊れてしまうかもしれません。出来れば80℃くらいの湯で煎れましょう。
モリンガはハーブティーより、直接食べるほうがより栄養を摂取できます。出涸らしも食べられるので、気にならなければ出涸らしを乾燥させて保存しておきましょう。
パスタの具材などで、たっぷり食べることもできます。
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