イタリアンパセリの栄養と効能。育て方(種まき~収穫)、使い方

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一見するとパクチー(香菜)と見分けがつかない事もあるイタリアンパセリは、縮れ葉のパセリに比べて苦みが柔らかく、イタリア料理の彩りに欠かせないハーブです。
生のまま食べても美味しく、サラダにしても独特の風味が楽しめます。

特徴

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セリ科の二年草で、2年目に花を咲かせます。種が実ると株が枯れてしまいますが、それまでは長い間葉を採取して楽しむことができます。
原産は南イタリアから北アフリカのアルジェリア一帯。
比較的簡単に育つため、家庭菜園向きのハーブでもあります。

パセリには日本でお馴染みの縮れ葉種モスカールドパセリと、イタリアンパセリに代表される平葉種があります。
(根や茎を食べる品種もありますが、まだ日本では一般的ではありません)
平葉は風味や薫りが穏やかで、香味野菜として楽しむことができます。縮れ葉パセリが苦手、という方こそ試して頂きたいハーブです。
苦みの強さは縮れ葉と変わらないという説もありますが、平葉のほうが表面積が少ないので、そのぶん苦みを感じにくいのかもしれません。

効果・効能

香り成分

ほかのパセリと同じく、芳香成分のアピオールやピネンが含まれています。これらは抗菌作用があり、口臭予防の効果が期待できます。
殺菌効果もあるとされ、食欲を刺激します。食中毒防止の効果もあると言われるので、できれば残さず食べましょう。

栄養

野菜としての栄養価も高く、抗酸化作用の強いβカロテン、ビタミンCを多く含みます。これらは肌や髪の健康を維持し、免疫力を上げて病気になりにくい体を作ります。
ビタミンE、ビタミンKなども豊富で、鉄分を多く含みます。ビタミンKはカルシウムを骨に定着させる栄養素で、骨の健康を支えます。日光を浴びても体内で生成できますが、食事から摂取するのも大切です。

利用方法と注意

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イタリアンパセリを含め、パセリは子宮を収縮する作用があると言われています。出来れば妊娠中、授乳中は極力控えたほうが賢明とされています
しかしイタリア料理でよく使われるハーブなので、少々口にする程度なら大きな影響はないとも言われています。もし本当に影響があるなら、イタリア国内で大きな問題になっているでしょう。
判断が難しいため、必ず医師に相談しましょう。

高い栄養価がありますが、縮れ葉のパセリは苦みが強く、あまり量が食べられません。料理にはイタリアンパセリのほうがより多く食べることができます。
使い方は生食をはじめ、スープなどの香り付け、パスタの彩りなど活用できます。冷凍や乾燥をさせても栄養価は残るので、大量に採れた際は冷凍保存すると良いでしょう。
冷凍パセリは凍ったまま料理に使います。

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栽培について

育て方は種まきと苗がありますが、セリ科植物は植え換えが苦手。苗から育てる場合は根を極力触らず、そっと植え換えましょう。
プランターでも畑でも育ちますが、人参のようにまっすぐ根を伸ばすため、プランターは深い鉢を選んで下さい。

育て方

種まき

種まき、苗の植え換えは3~5月と9~11月ごろが最適です。

酸性土壌を嫌うため、植える前に苦土石灰を撒いてアルカリ性に傾けておきます。
植え付ける直前に、粒の肥料を1平方メートルあたり120gほど撒いておきます。プランターの場合は1Lにつき4gの粒肥料を与えます。
3~4ヶ月おきに追肥を行いましょう。液体肥料の場合は2週間に一度与えます。

苗の場合は、畑に植えるなら25cm間隔、65cmプランターなら3株ほど植え付けます。
日当たりと風通しが良い環境を好み、たっぷり水がある環境が大好きです。水は切らさないように与えましょう。
特に、夏の暑い時期には水切れを起こさないように気を付けます。

収穫

30cmくらいに成長したら収穫時です。根もとを2~3cmくらい残して切り落とし、追肥を与えると再び茎葉を伸ばしてくれます。
小さなうちに、葉を摘みすぎると弱ってしまうので気をつけましょう。
花が咲いたら枯れますが、根もとから切り落とせば再び茎を伸ばし、長い間楽しむことができます。

エピソード

古代ギリシャ、ローマ時代から親しまれているハーブで、家畜の餌から薫りを楽しむ装飾まで、多彩な使われ方をされていました。
古代ギリシャでは医薬品として使われ、軍馬に与えて滋養を養っていました。
人間が食品として食べるようになったのは古代ローマ時代と言われ、宴会などの装飾にも用いられていました。
古代ローマは飽くなき飽食でも有名ですが、イタリアンパセリの成分には食欲を増進させ、抗菌殺菌作用があるとされています。まさに飽食向きのハーブといえます。
欧米で広く流通したのは、16世紀ごろからです。

日本では昭和の時代までは縮れ葉の品種ばかりが栽培されていました。
近年はイタリアンパセリの出荷が増え、スーパーや道の駅などでも、比較的良く見かけるようになりました。縮れ葉パセリに比べて日持ちしないので、早めに使いましょう。

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