虫除けに効果的なスパイス!クローブの効能。使い方・レシピ

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肉料理やインドのミルクティー、チャイに欠かせないクローブは食用だけではなく、虫除け、蚊除けなどにも使える万能スパイスです。
ホールは釘のような形でT型のため、和名では丁子(ちょうじ)と呼びます。

特徴

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バラ亜科フトモモ目フトモモ科チョウジノキの中高木、チョウジノキの花蕾です。
インドネシア原産で、熱帯雨林の海岸近くで育ち、種から20年ほどで10メートルまで成長します。
葉はビワのように平たく長く、熱帯雨林の少ない日光を精一杯浴びれるように進化しています。
年に2回花を咲かせるので、クローブは年に2回収穫できます。現在は原産国のインドネシアだけでなく、マダカスカル、モーリシャス諸島などでも大々的に栽培されています。

クローブの蕾は高木の先に付けるため、昔は櫓を組んで手間暇かけて収穫されていました。そのため貴重なスパイスとされ、高値で取引されていました。
現在は枝ごと切り落として収穫します。(落とした枝も精油の原料になります)摘み取ったクローブの蕾は天日干しなどで乾燥し、乾燥したクローブの色は濃い茶色に変わります。

効果・効能

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強い甘みのある薫りがあるクローブの主成分は、オイゲノールです。
オイゲノールの効能は強く、殺菌、防腐作用があり、肉の腐敗を防ぐ効果が期待できます。
弱いながら沈痛や麻酔の効果もあり、昔は歯の痛みを和らげる薬としても使われていました。
クローブを煮出した汁を浸し、切り傷や関節炎などに用いると症状が軽くなると言われています。

ゴキブリが嫌がる薫り成分でもあり、台所などにクローブの精油を垂らした綿を置くと出てくる頻度が下がります。
精油にもオイゲノールが豊富に含まれているため、虫よけ効果が期待できます。洋服をかけているクローゼットや衣装ケースなどに精油を含ませた綿などを入れておくと、防虫になります。
(油が漏れ出ないように、ラップで密封しない程度に軽く巻くと良いでしょう)

クローブを抽出した油を丁字油(ちょうじゆ、ちょうじあぶら)といい、かつては日本刀の錆止め油に使用されていました。

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利用方法と注意

香りがとても強いので、多く使いすぎると甘い薫りが全面に出てしまいます。使用はごく少量に留めましょう。
クローブの食べ方は肉料理が有名で、西洋では肉の塊にクローブをいくつも刺して香り付けにすることもあります。しかし日本人には刺激が強すぎるので、自作するならここまで使用しないほうが良いでしょう。

ユニークなレシピで、ノルウェーに伝わる「オレンジとザクロのサラダ」にクローブが使われます。
簡単に作れるので、ビタミンC補充にお勧めです。

オレンジ&ザクロのサラダ クローブ風味のレシピ

  • オレンジ2個
  • ざくろ 1個
  • 砂糖、クローブ(パウダー状のもの) 各適量

オレンジは包丁で皮を剥き、なるべく白いところを除きます。さらに輪切りにして皿に並べます。
その上から砂糖とクローブを適量振り、さらに房から取り出したざくろを散らせば完成です。

栽培について

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日本で育てるのは保温などに気を付ける必要がありますが、保温付きビニールハウスや鉢植えにして室内で保温するなどすれば可能です。
日当たりが良く暖かい環境を好み、水はけの良い砂質土を好みます。水が多すぎると枯れてしまうので気を付けましょう。

種を蒔いてから苗になるまで2年必要です。そのため、余程のこだわりがない限りは苗を手に入れるほうが賢明です。
日本の冬の気候に耐えられないため、必ず鉢植えか、保温ができるビニールハウスで育てましょう。
大きめの鉢に、水はけの良いバーミキュライトや川砂などを加えましょう。
水を好むので、鉢が乾いたらたっぷり与えましょう。しかし、ずっと水に漬けっぱなしは良くありません。
屋外で育てているときは鉢皿は敷かず、屋内でも鉢皿の水は捨てて排水しましょう。
夏は日当たりの良い屋外へ、冬は室内の日当たりの良い場所へ移動させます。

苗から育てて4~5年ほどで花を咲かせます。
しかし、クローブの木は開花したり実を結ぶと弱ってしまう習性があります。できるだけ蕾を採取し、極力花が咲かないようにします。
採取した蕾を乾燥させると、クローブとして活用できます。

エピソード

あまり馴染みのないスパイスですが、奈良時代には既に日本に輸入されていました。正倉院にも輸入されたクローブが保管されています。
現在は「丁子」は漢方薬の生薬として正式に登録され、胃を丈夫にする作用があります。重度の血の滞りを改善する女神散などに含まれています。

クローブは原産地だけではなく、紀元前から中国、インド、中東などで活用されていました。世界最古とされる記録はシリアで、紀元前1721年の壷からクローブが発見されました。
清めの作用があると考えられ、古代中国では皇帝に謁見する際に臣下がクローブを口に含んでいたとされています。

やがて中国の商人はヨーロッパにもクローブを売り込みます。6世紀ごろからセイロン諸島経由でヨーロッパにもたらされ、貴族の間で異国の珍しいスパイスとして珍重されていました。
ヨーロッパ人は長い間、この薫り高いスパイスの原産地が分かりませんでした。ようやく原産地を知ったのは1511年で、ポルトガル人がフィリピンのバンダ諸島で発見しました。
大航海時代と植民地支配の時代になり、17世紀にフランスがモーリシャス諸島とレユニオンでの栽培に成功します。それを皮切りにアフリカ東岸のザンジバルへ伝わり、大規模栽培が可能になりました。

ヨーロッパでは、ペスト予防の薬としても利用されていました。当時はまだ防疫という概念がなかった時代ですが、オレンジにクローブを刺したフルーツポマンダーというお守りがペストを退けると考えられていました。
クローブには殺菌作用もあるため、フルーツポマンダーにもある程度の防疫効果はあったのではないかと推測されます。

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