スイスチャードの栄養と効果効能。食べ方~プランター栽培

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最近、道の駅や高級スーパーなどで、やたらと派手な色のホウレンソウが売られているのを見たことがあるでしょうか。これがスイスチャードです。
スイスチャードは茎の色が独特で、緑、赤、黄、オレンジなど、美しい色合いが楽しめます。
派手な色合いを活かしてサラダに使うことが多いですが、クセがなく美味しい野菜です。

特徴

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スイスチャードは和名を「セイヨウフダンソウ」(西洋不断草)といい、ホウレンソウに近い仲間です。
アガサ科フダンソウ属の一年草または二年草で、一年中収穫できることからこの和名が付きました。
恭菜、不断草(フダンナ)と呼ばれることもあります。

スイスチャードが流通したのは比較的最近ですが、フダンソウは日本でも馴染み深い作物で、各地で様々な名前で呼ばれています。
砂糖大根で有名な甜菜(てんさい)と同じ仲間で、葉を食べる品種です。葉の軸が大変カラフルなので食べても問題ないか不安になりますが、外見に反してアクやクセは少なめ。
様々な料理に使える万能野菜です。
葉は大きく厚さがあり、茎も太く、柔らかいのに食べ応えがあります。

栄養価と効果・効能

栄養価は大変高く、特にβカロテンを多く含みます。
人参などに多いβカロテンは体内でビタミンAに変化し、皮膚の強化や視力、髪の健康を保ち、呼吸器系などを守る働きをします。これらに問題がある方にはぜひ食べて頂きたい野菜です。
さらに、抗がん作用や免疫強化などの効果も期待できます。

ホウレンソウの仲間なので、カリウムも豊富に含まれています。カリウムは体内のナトリウムと結びつき、体外に排出する作用があります。
そのため塩分過多による高血圧などを予防する効果が期待できます。
カリウムとナトリウムのバランスは、筋肉の働きにも深く関わります。夏ばて、夜中にこむら返りなどの症状があるときは、ナトリウムが多すぎる可能性があります。
カリウムの多い野菜を食べることで、バランスが上手に取ることができます。
(こむら返りは、足が冷えている時にも起こります。夏なら絹100%のレッグウォーマーを履いて寝ると、ある程度の症状は抑えられます)

カルシウム、マグネシウム、ミネラル、鉄分、ビタミンE、Kも豊富で、丈夫な骨作りや貧血予防など、様々な効能が期待できます。

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食べ方と注意点

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カリウムが豊富なので、腎臓疾患のある方は医師や栄養士と相談した上で摂取しましょう。

スイスチャードの食べ方は生食のサラダが多いですが、お浸し、炒め物にしても美味しく食べられます。
茎が甘く色がカラフルなので、子供も喜んで食べてくれるかもしれません。

栽培

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育て方

育て方は土壌のphさえ気をつければ、プランターでも簡単に育ちます。
ホウレンソウの仲間なので、酸性土壌がとても苦手でアルカリ性の土壌を好みます。畑で栽培する際は、あらかじめ苦土石灰を撒いてph調整を行います。
種まきは4月から10月まで、冬でなければいつでも行えます。寒さに強いので暖かい地域なら冬でも元気に育ちます。
冬に育ったスイスチャードは茎に甘みがあり、大変美味しく頂けます。(そのぶん、生長はゆっくりです)

スイスチャードの種は2~3粒の種が合体しているため、1粒蒔いても複数の芽が出ます。そのため、間隔を広めに取って蒔きましょう。
皮が固いので、一晩ほど水に浸してから蒔きます。
本葉が5枚ほど出たら間引き、追肥を行います。あとは2週間に一度ほどの間隔で追肥を行います。

草丈が20cmくらいになれば収穫できます。そのまま株ごと引き抜くのも良いですが、外葉から必要なぶんだけかき取ると長く楽しめます。
連作障害があるため、畑で一度栽培した場所は2年ほど空けましょう。

エピソード

原産地域は地中海沿岸で、紀元前から栽培されていました。
6世紀ごろ中国に渡り、16世紀ごろに日本に伝来したと言われています。当時はトウチギ、フダンナと呼ばれ、四季を問わず収穫できる作物として広まりました。しかし現在流通しているものとは異なり、葉が小さな従来品種でした。
明治時代には葉が大きなフダンソウが導入され、日本各地に根付きました。現在のフダンソウはこの頃に導入されたセイヨウフダンソウが大半と言われています。

スイスチャードという名で流通してまだ日が浅いため、新しくやって来た野菜だと思われがち。しかし昔から日本各地で栽培され、様々な地方名があります。
兵庫県では白菜(しろな)、大阪府など関西圏ではうまい菜(うまいな)、島根県ではオホバコチサ、岡山県ではアマナ、長野県では時不知(ときしらず)、沖縄ではンスナバーと呼ばれます。
流通が進んだ現在では、地方名があちこちに飛び火して、いくつも通り名がある地域もあります。
種苗メーカーのタキイは「うまい菜」、サカタは「アイデアル」の名で販売しています。

名前が多すぎて混乱しますが、これはクセがなく、通年青菜が食べられる貴重な野菜として日本各地で重宝されていた証拠です。

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