クチナシ(山梔子)の香りと花言葉♪育て方と剪定方法

梅雨の時季に咲く、真っ白なクチナシの花は優美で、たいへん良い薫りがします。
実は天然の着色料として活用され、栗きんとん、沢庵などの色づけに欠かせません。
アロマテラピーにも活用されている、クチナシはどのような植物でしょうか。

特徴

クチナシは、アカネ科クチナシ属の常緑低木です。原産地は東アジア一帯の暖かな地域(日本、台湾、中国の南部、インドシナ半島)。
そのため温暖な、水の多い気候を好みます。
日本では関西より西の地域の森で自生しています。庭木に植えることもあり、花や実を楽しみます。
クチナシの名の由来は諸説ありますが、「実が熟しても口を開かない=口無し」という説が有力のようです。

中医学や漢方では「山梔子(さんしし・シャンチーツー)」と呼ばれ、利尿剤や消炎作用、鎮静作用があると考えられています。

梅雨ごろに白い美しい花を咲かせ、10月ごろに実をつけます。実は羽子板の羽のような特徴的な姿で、きれいなオレンジ色です。
6枚の花弁の一重咲き、白バラのような八重咲きがあります。八重咲きは実を結ばず、薫りもあまりない外見重視の品種です。
薫りを楽しみたい、実を採取したいなら一重咲きが良いでしょう。

育て方

クチナシは庭木に最適ですが、寒さにとても弱いので関東以北なら庭に植え付けないほうが良いでしょう。
半日陰を好み、少し水っぽい環境でも元気に育ちます。

クチナシは、大きくなりすぎると根付きにくい特徴があります。4~5月と9月ごろに、小さな若い苗を植え付けましょう。
あまり深く植え付けず、土を盛って(山だか)植え付けます。
プランター栽培の場合は4~5月に、一回り大きな鉢に植え替えます。植え替える前に周囲の土を1/3ほど取り除き、長い根を切り詰めるましょう。

植え付けた後は乾燥を防ぐため、腐葉土や藁などで覆っておきます。5月下旬~7月に開花します。
花が散ったらすぐに剪定を行います。これは、クチナシは夏と秋の2回に分けて花芽を付けるためです。
花が散った後すぐに剪定しないと、夏の花芽まで切ってしまいます。
剪定は混み合った部分や枯れ枝、ひこばえ(根もとから飛び出して生える枝)を刈り込む程度で、バッサリ全体的に切らないほうが良いでしょう。

クチナシの害虫といえば、スズメガの一種オオスカシバの幼虫が代表的。
青虫のような姿をしていますが、しっぽに1本の角があるのが特徴です。
親はハチドリのように愛らしい姿ですが、幼虫を放置していると葉を食べ尽くされて丸裸にされかねません。
見つけ次第、駆除してしまいましょう。

クチナシの歴史と花言葉

日本でもっとも古い記録は古代に遡ります。918年に出版された日本最古の漢方本「本草和名」に登場します。この書物から「クチナシは果実が開裂しない」(だからクチナシという名)という記述があります。

着色料としても有名で、そのまま使うと黄色、発酵させると青の染料になります。クチナシの実で染めた布などがあります。

花言葉は「清潔」「幸せを運ぶ」「私は幸せ」など。愛らしく、良い薫りがするクチナシの花らしい言葉です。

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効果・効能

クチナシの実の黄色い色素にはカロテロイドの一種、クロシンが含まれています。
これはサフランと同じ成分です。
他にもゲニポサイドという成分が含まれています。この成分が中医学で言われる効能の元と考えられています。
高血圧、高脂血症、コレステロール低下などの作用もあるとされています。

中医学では「寒」に分類され、余分な熱や毒素を取り除く作用があると考えられています。
黄疸、吐血や血尿、充血などの止血、炎症の軽減、止血、消炎、解熱、鎮静剤などに用いられます。
煎じて飲むだけでなく、粉末を酢で練り、打ち傷に貼り付ける薬としても活用されます。

副作用に注意

クチナシの色素成分、ゲニポサイドは過剰摂取すると下痢や肝臓からの出血などが起こることがあります。
大量摂取しなければまず問題ないため、ごく少量だけ使いましょう。

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