三つ葉(ミツバ)の栄養と効果効能♪栽培・育て方~保存方法

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お吸い物や丼ものに欠かせない三つ葉は、日本を代表するハーブの一つ。上品な薫りがお吸い物にアクセントを加え、旨さを際だたせます。
三つ葉は野菜としても優秀で、旬にはサラダやお浸しなどにすることも。三つ葉とはどのような植物でしょうか。

特徴

三つ葉はセリ科ミツバ属の多年草です。その名のとおり、葉が3つに分かれているのが特徴。
葉は卵形で先が細く、とがっています。特徴的な形の葉なので、他の植物と見分けるときに役立ちます。

原産は日本、中国、朝鮮半島、サハリン、南千島など。山の木陰で自生しています。
高さは40cmほどで、セリの中では小柄です。

栄養価と効果・効能

三つ葉は緑黄色野菜の良さと、ハーブの効能を併せ持つ優れた植物です。
βカロテンが豊富で、含有量は西洋かぼちゃ並み。βカロテンは高い抗酸化作用があり、若々しい体作りに欠かせません。カリウムも豊富で、体内の余計なナトリウムを排出し高血圧予防に役立ちます。
ぜひ旬にはお浸しやサラダ、味噌汁の具などにして、たっぷり頂きましょう。

ハーブとして注目すべき成分はクリプトテーネンです。三つ葉の薫り成分の一つで、ストレスを緩和し、リラックスさせる作用があります。
さらに食欲増進作用もあり、彩りだけではなく食を進める効果も期待できます。
他には心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化の予防風邪予防などに効果があると言われています。

利用方法と注意

三つ葉は長期保存に向かない作物で、刈り込んだ直後から薫りがどんどん抜けてしまいます。
特に糸三つ葉は日持ちしないので、その日使う分だけ購入するのが一番です。

どうしても使い切れない場合は冷凍保存もできます。三つ葉を熱湯でサっとくぐらせて、すぐに流水で洗い流します。しっかり水切りをしたら二重にラップをして、そのまま冷凍します。
2週間を目処に使い切るようにします。凍ったままの状態で料理に使いましょう。

天ぷら、かき揚げ、卵とじ、汁もの、和え物、炒め物など、様々なレシピがあります。できるだけ火を入加える時間を短くするのがポイントです。
特に根三つ葉は歯ごたえがあるため、お浸し向きの食材です。

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栽培方法

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家庭でもプランターなどで簡単に栽培できます。
育て方は種蒔きと苗から育てる方法がありますが、種は発芽させる前に一晩水に浸したり等、若干手間がかかります。
ごく少量プランターで栽培するなら、苗から育てるのが一番です。

育て方

三つ葉の苗が出回る時期に、プランターと土を用意します。土は栄養豊富で湿り気がある土壌を好むため、赤玉土7、腐葉土2、バーミキュライト1、化学肥料と酸性化防止のための石灰を加えます。

プランターに底石と土を入れ、中央に穴を空けます。そこに三つ葉の苗を植えつけ、ハス口のじょうろで優しく水を与えます。

根付くまでは乾燥しないように気をつけましょう。

10日ごとに液肥か、適時置き肥を与えます。

三つ葉はたっぷりの水と、柔らかい日差しを好みます。そのため夏は必ず日陰に移動させ、直射日光は避けましょう。水切れには十分注意して下さい。

草丈が25~30cmくらいになれば収穫時期です。必要な分だけ摘むと、いつでも新鮮な状態で楽しめます。

根元を残して刈り込んでも、すぐに新しい葉を付けて何度か収穫できます。刈り込んだ後は必ず置き肥を与えて、成長を促します。
冬には葉が枯れますが、根は生きています。翌年再び葉を伸ばし、楽しませてくれます。

注意点・ポイント

年を越したミツバは5月ごろに、小さな白い花を咲かせます。

病気には比較的強いですが、立ち枯れ病、さび病などに侵されることがあります。

害虫の代表は、キアゲハの幼虫です。放っておくと葉を食い尽くされて丸裸にされてしまうので、見つけ次第駆除してしまいましょう。ナミハダニ、ニンジンアブラムシなども害虫です。

三つ葉は連作障害を起こすため、畑で栽培する場合は4年以上空けて育てましょう。

エピソード

日本や中国では古代から野生の三つ葉を食用にしていました。しかし栽培が始まったのは江戸時代に入ってからと考えられています。
江戸時代の農業書「農業全書」には栽培の方法などが記載されています。さらに漢方薬の大書「大和本草」にも「鴨児芹(おうじきん)」という名で紹介されています。消炎や解毒作用があり、肺炎の治療などに使われます。

現在の三つ葉はハウス水耕栽培が大半で、通年流通していますが、旬は春から初夏にかけて。
野生の三つ葉は栽培されたものより大きく固く、薫りが強いのが特徴です。アクもあるので軽く茹でて灰汁抜きすると良いでしょう。
現在は千葉、愛知、茨城などが主要生産地で、この3県だけで全国の50%を出荷しています。

青三つ葉(または糸三つ葉)が主ですが、3~4月には畑で栽培した根付きのミツバ「根三つ葉」が流通します。青三つ葉に比べて歯ごたえがあり、根も食べることができます。
正月ごろにはお雑煮用に、根もとに光を当てずに育てた「切り三つ葉」が流通する地域もあります。

花言葉は「意地っ張り」。プレゼントにはあまり向かない花ですね。

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