高い薬効に期待、ヨモギの栄養と効果・効能。蒸し、餅など利用法

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ヨモギは餅や団子など、古来から春の季節に欠かせないハーブとして親しまれています。
鍼灸に使う艾(もぐさ)の原料もヨモギで、葉の裏に生えている産毛を集めたものです。
非常に薬効が高く、様々な用途で用いられています。最近は韓国の「ヨモギ蒸し」が注目されています。

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特徴

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キク科キク亜科ヨモギ属の多年草です。
各地でモチグサ、エモギ、モグサ、サシモグサなど様々な異名があります。英語ではJapanese mugwort。

日当たりが良い場所を好み、日本各地の河川敷や空き地、荒れ地から田畑の近くなど、どこでも自生しています。

キク科ですが、花は控えめであまり目立ちません。
地下茎を横に延ばして増殖し、地下茎から他の植物の発芽を抑える毒を放出します。ヨモギがどこでも生えているのは、この毒で他の植物を抑え込んでいるため。

同じ戦略で分布を広げた植物に、セイタカアワダチソウがあります。こちらは帰化植物だったため一時期は日本の植物界に大きなダメージを与えました。
現在は他の植物が毒への耐性を身につけたため、多くの地域でセイタカアワダチソウの爆発的な増殖は収束しています。

葉は大きく深い切れ込みがあり、キク科植物らしい姿をしています。
ヨモギの見分け方は、若葉の裏にびっしり生える産毛。他のキク科植物にはない特徴で、葉の裏を見ればすぐにヨモギと判別できます。

西南諸島には別亜種のニシヨモギが自生しています。
沖縄の方言でフーチバーと呼ばれ、雑煮や沖縄そばの具、ヤギ肉の臭み消しなどに活用されています。

春に芽吹くヨモギの若葉は、春の味覚の代表格です。採取するときは犬があまり立ち寄らない場所で、適量だけ頂きましょう。
茹でて灰汁抜きをしたら、お浸し、汁物など野草として食べることができます。
すり鉢で潰してもち米と合わせると、草餅になります。草餅は風味が良く薬効があり、現在でもコンビニなどで販売されるほど人気です。

外で採取するのは気が引けるときは、栽培することもできます。
日当たりの良い庭に肥料と地下茎を埋め、根が落ち着くまで2週間ほど毎日水を与えます。鉢植えなら赤玉土7に腐葉土3くらいの割合の土で育てましょう。
繁殖力が旺盛なので、庭で栽培する際は間仕切りなどして地下茎が広がるのを阻止しましょう。
ヨモギの花粉でアレルギーを起こすことがあります。周囲にキクアレルギーの人がいるときは栽培を控えましょう。

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効果・効能

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非常に高い薬効があり、止血、デトックス、浄血、造血、体を暖める作用など、様々な効能が期待できます。

栄養面で見ると食物繊維が多く、ほうれん草の10倍も含まれています。さらに、食物繊維の1/5000という微細なクロロフィル(葉緑素)が豊富です。
クロロフィルは腸内の繊毛と呼ばれる細かい器官に入り込み、食物繊維ではできない大掃除ができます。そのため、腸内に溜まった有害物質を掻き出し、排出すると言われています。
コレステロール値を下げる効果もあると言われ、血中脂質を正常化し、心筋梗塞などを予防します。

栄養価が高く、各種ビタミン、ミネラル、ベータカロチンが豊富に含まれています。

特に鉄分やカルシウム、マグネシウムが豊富で、貧血予防や骨を丈夫にする効果、血糖値改善など様々な効能が期待できます。

マグネシウムは血管を広げ、高血圧を予防する効果があります。さらにインスリンの働きを改善し、糖の代謝を上げます。欧米では近年「マグネシウム不足による2型糖尿病」が増加していると警告しています。
精白した穀物ばかり食べ、野菜などに含まれるマグネシウムの量が減り、十分なマグネシウムが摂取できていないことが原因と言われています。
日本では男性に若干の改善効果が見られた程度ですが、糖尿病予備群には効果が高いという見解もあり、積極的に摂取したい栄養素です。

ベータカロチンが体内に入るとビタミンAに変化し、肌や粘膜を強化します。そのため美肌効果や免疫力アップに効果があると言われています。
新陳代謝が上がるため、ダイエット効果も期待できます。

食用だけでなく、風呂の入浴剤に煮出したヨモギを入れると、血行が良くなり体を芯から暖めます。
石鹸やローションなどにも加えられることがあり、肌の状態を改善します。
サプリメントでは、乳酸菌とヨモギを合わせたものもあります。

ヨモギ蒸し

日本でもヨモギ蒸しが人気で、自宅で行う人も増えています。
ヨモギ蒸しは、コンロや電熱調理器の上でヨモギを茹でて準備します。その上に穴の開いた椅子を乗せ、大きな布で体を覆い、下着を脱いで座ります。
ヨモギの蒸気が直接当たるため、体を温める効果が非常に高いと言われています。しかし、熱湯を使うので、火傷や火事には十分気をつけないといけません。
簡易版の、トイレの便座で火を付けるタイプのヨモギ蒸しもあります。処理が簡単で火事の心配はありませんが、臭いがかなり強く、数日はトイレがヨモギの臭いが取れなくなると言われています。

ナプキンのように下着に付ける温座パッドもあります。効果は穏やかですが、いつでも気軽にできるため冷え性予防には効果的です。
長時間付けていると皮膚が被れるので、必ず規定時間は守りましょう。

利用方法と注意

キク科植物アレルギーのある方は、使用を控えましょう。ヨモギもキク科なので、アレルギー反応を起こすことがあります。
秋にくしゃみ、鼻づまりが止まらなくなる方は、もしかするとヨモギアレルギーかもしれません。秋に咲くヨモギの花粉でアレルギー症状を起こすことがあるため、念のため検査してみることをお勧めします。

ヨモギはアクが強いため、若葉でもアク抜きが必要です。
茹で方はほうれん草と同じで、熱湯に適量入れて、柔らかくなったらザルに開けます。流水でよくすすぎ、水を張ったボウルに漬けて、さらに流水ですすぎます。

ヨモギ茶は非常に苦く、まさに「薬」と言えるほど渋いですが、非常に優れた薬効があると言われています。
渋くて飲めないときは、番茶を同量入れると少しは飲みやすくなります。
3グラムほどを1リットルの水にかけ、じっくり30分ほど煮出すと薬効が抽出できると言われています。50~100ccくらいを一気に飲み干しましょう。

ヨモギのレシピはたくさんありますが、パンやまんじゅうに加工しやすい「よもぎペースト」を作ってみましょう。
買うとかなり高額ですが、たくさん採取できる時期に作ると無料で作れます。冷凍すると長期保存できます。
ヨモギ粉よりも風味が良く、いつでもヨモギの香りが楽しめます。

よもぎペーストの作り方

  • よもぎ 両手で掴むほどの量
  • 重曹 小さじ1

出来るだけ柔らかい新芽だけを集めましょう。
大きな鍋で湯を沸かし、重曹を入れます。沸騰したらヨモギを入れ、1分ほど茹でます。
茹でたら冷水に取り、アクを抜いてよく水気をふき取ります。
適度に刻み、フードプロセッサーにかけると完成です。フードプロセッサーがない場合は、手で細かく刻んでも構いません。
適量をラップに包み、冷凍保存できます。

エピソード

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中国やヨーロッパでもヨモギは一般的な植物で、ヨーロッパでは魔女が使う魔法に使われていたと言われています。
魔女と呼ばれていた人々は薬草(ハーブ)を駆使し、病気を治療する特殊技能を持っていました。そのため、薬草として利用されていたと推測されます。

中国では鍼灸という独自の文化を編み出し、ヨモギの葉の産毛を集め「もぐさ」として灸にしました。
もぐさは、すぐに火が点いて火が消える特性があり、さらにヨモギの薬効が楽しめます。そのため皮膚に直接置いて火を点けても、一瞬で消えるので火傷になりにくい特性があります。
もぐさは品質によりランクがあり、最上位のもぐさは点灸など、直接皮膚に乗せて使います。(点灸とは、もぐさを米粒の半分くらいの大きさに丸め、皮膚のツボに直接乗せて火を点ける灸)
低いランクのもぐさは棒灸に加工し、皮膚に近づけてじっくり外から暖めます。

漢方薬としても使われ、艾葉(がいよう)という止血剤として処方されます。
止血だけでなく、体を暖め、痛みを取り除き、痰を出しやすくする作用があると考えられています。
ヨモギは西洋薬でも活用され、マラリア治療の原料にもなります。マラリア治療で用いられるセイコウ(青蒿)は、ヨモギの近縁種です。

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