ケッパーの効果・効能について。使い方やレシピ、栽培方法など

caper

スモークサーモンの上に乗っている丸い、茶色の実を見たことがあるでしょうか。
食べるとオリーブに近い味ですが、うま味と酸味が強い実の正体は、ケッパーという木の蕾(つぼみ)です。
ケッパーの実はケッパーベリーと呼ばれ、蕾のケッパーよりも高価。ここでは特に指摘がない限り、ケッパーの蕾について紹介します。

特徴

caper_plant

アブラナ目フウチョウソウ科の半蔓性低木です。和名はトゲフウチョウボク、またはセイヨウフウチョウボク
ケッパーは英名で、ケイパー、ケーパーとも呼びます。フランス語ではカーブル。
地中海沿岸からイラン高原、アフガニスタン一帯に自生しています。
花はたくさん付きますが、あまり実が成らない特徴があります。そのため、ケッパーベリーはケッパーよりも高額です。
ケッパーベリーはケッパーに比べて大きく細長く、枝が付いた状態で酢漬けにされています。あまり日本では売っていませんが、輸入雑貨店や通販などで入手できます。

効果・効能

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独特の芳香はカプリン酸によるものです。カプリン酸はバターに多く含まれ、豊かな風味があります。
刻んだケッパーとバターを混ぜたものをモンペリエ・バターといいい、フランス料理でもよく使われます。
フランスではブルー・ド・モンペリエというバターもあり、これらに加えてパセリやセルフィーユ、クレソン、卵、ほうれん草、にんにく等、多彩な食材を組み合わせて使うこともあります。

カプリン酸は解熱作用や抗リウマチ作用、解毒、健胃作用も期待できます。
スモークサーモンに和えるのは解毒作用の面もあり、刺身にわさびを添えるのと同じ効果があります。
カプリン酸は乾燥すると薫りが落ちるため、水分のある状態で保存します。塩漬けや

利用方法と注意

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※塩漬け↑

塩漬けと酢漬けがありますが、ケッパー独特の味わいは塩漬けのほうが残っています。
少し青臭い、独特の風味があるため、苦手な人は酢漬けのほうが良いでしょう。
しかし、塩漬けのほうが存在感がハッキリしているので、大人だけで食べるなら塩漬けが良いかもしれません。
塩漬けケッパーは高級スーパーや百貨店、通販などで購入できます。

塩漬けケッパーは塩辛いので、サラダなど生で食べる場合は少し塩抜きをします。
ケッパーベリーは輪切りにして使用します。キュウリのピクルスと同様、サンドイッチやハンバーガーの具にしても美味しく頂けます。

レシピ

モンペリエバター(ケッパーバター)はパスタに和えたり、パンに塗るだけで豊かな風味が楽しめます。焼き魚、肉類、蒸し料理にも活躍します。
簡単に作れるので、1瓶作っておくと疲れた時の自炊に重宝します。持て余し気味のケッパーの使い切りにも。

モンペリエバターの作り方

  • バター 大さじ1
  • ケッパー 大さじ2くらい

ケッパーは刻み(粒を残したい場合はそのまま)バターと湯煎にかけます。
十分溶けたら清潔な容器に入れて冷ましたら完成です。
ケッパーが主役になる配合です。

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栽培について

葉の付け根にトゲのあるフランス種と、トゲのないイタリア種に分けられます。
地中海性気候の植物なので、日本でも湿度が低い涼しい環境なら栽培は可能です。種から地道に育てる方法もありますが、苗のほうが効率が良いでしょう。
種は発芽するまで3ヶ月以上かかることもあります。

気候15~25度くらいの環境で育てると、夏に多くの花を咲かせます。花は白く大きな薄い花弁を持ち、長いおしべが目立ちます。とても華やかなので、鑑賞用にも向いた植物です。
8月ごろに無数の蕾を付けるので、これを地道に1粒づつ採取します。適度に残して花を咲かせ、ケッパーベリーを実らせると、どちらも楽しめます。
代表的な栽培地のイタリアでも気むずかしい植物と言われ、育てるのは難しいそうです。上級者向けの植物と言えます

冬は枯れますが、翌年には再び芽をのばします。0度以上の環境なら根は耐えられますが、氷点下になる地域は根もとにワラなどを敷いて保温しましょう。

エピソード

イタリア料理は地域の特色がとても豊かで、主に米を食べる地域(北部)とパスタを食べる地域(南部)に分かれます。(ローマなど中部は、どちらも食べるようです)
特に南部は独特な食文化があり、魚介や青菜をよく食べ、ナス、トマトやオリーブオイルバジルを使った料理が多い傾向があります。

ケッパーは特に、南部プーリア州やシチリア島では欠かせない食材の一つ。
塩漬け、酢漬け(ピクルス)にしますが、塩漬けは特に味が良いとされ、一年中料理に加えられます。
上質のケッパーは独特の辛みがあり、魚料理と相性が良く、味をより深めます。

西洋で最も古いケッパーの記録は15世紀のフランスと言われ、16世紀の医師アンブロワーズ・パレはケッパーの効能について記述しています。人工栽培が広まったのも、この頃からです。
現在はイタリアだけでなくフランス、スペインでも栽培されています。

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