糖質を分解する作用があると言われ、ダイエットサプリとしても有名なギムネマ。
最近では日本にも苗が流通し、通販などで購入することもできます。
名前だけはよく聞くギムネマとは、どのようなハーブでしょうか。
ギムネマとは
インド中部から南部、スリランカの熱帯に自生する蔓植物です。
キク類キョウチクトウ科ギムネマ属の植物で、和名はホウライアオカズラと呼びます。
日本ではダイエットサプリとして、学名のギムネマ・シルベスタの名前が広まったため、和名で呼ばれることは滅多にありません。
アーユルヴェーダでも使われていた
インドの伝統医療アーユルヴェーダでは、ギムネマの葉に砂糖を壊す働きがあることから、糖尿病治療のハーブとして2000年以上も使われていました。
ギムネマ茶の効能
葉を煎じてお茶にして飲むことで、効果が発揮すると言われています。ギムネマ茶を飲んだ直後に甘いものを口に入れると、甘さをほとんど感じません。
これは、葉に含まれる配糖体、ギムネマ酸の作用によるものです。
また葉を1枚ちぎって噛んでも、味覚が一時的に変わることが知られています。若葉よりも、青みの強い成熟した葉のほうが、より多くのギムネマ酸を含んでいます。
ギムネマは栽培できる?
ギムネマはインドなどの暑い地域の植物で、寒さには極端に弱い植物です。
日本でも観葉植物として、まれに流通しています。しかし温度管理が難しく、冬は必ず室内の暖かい場所で管理しないといけません。10℃以下になる環境は避けましょう。
ジャングルの植物なので、乾燥にも弱い傾向があります。夏場でも葉焼け、水切れなどに注意して育てる必要があります。
温度管理が必要な植物を育てている方以外は、管理は少し大変かもしれません。
ギムネマは挿し木で増やすことができます。挿し木は必ず、夏の暑い時期に行いましょう。
3年ほどで黄色い小さな花を咲かせます。
つるを伸ばして成長するため、支柱などを設置して絡みやすくしてあげましょう。
害虫には強い植物ですが、アブラムシやダニが付着することがあります。
効果・効能
葉に含まれるギムネマ酸にはダイエットや糖尿病改善に優れた効果があると言われています。
小腸での糖吸収を抑えることは有名で、ラットの実験では糖尿病治療薬であるアカルボースとギムネマ酸を同時に服用したところ、糖分の一つマルトースの吸収が減ったことが実証されました。
オリーブオイルなどに豊富に含まれる、遊離オレイン酸の吸収を阻害する効果も見つかっています。
さらに、すい臓に働きかけ、インスリンの分泌量を増やす働きがあります。
たんに分泌量を増やすだけではなく、すい臓の修復、再生を促す効果があり、糖尿病治療に有効ではないかと期待されています。
しかし、現在のところ西洋医学では、ギムネマを使った糖尿病治療は行われていません。
インスリンの代替品にはならないこと、血糖値コントロールのメカニズムや効果のデータが不十分なことが、その理由です。
利用方法と注意
ギムネマ茶の飲むタイミング
ギムネマ茶は、飲むタイミングが重要です。出来るだけ食後すぐに摂取するのが良いと言われています。
早すぎると味覚に影響するおそれがあるので、食べた直後が良いタイミングです。味はクセがなく、あっさりしています。(他のハーブや、ウーロン茶とブレンドされたものもあります)
妊婦さんは特に注意
ギムネマ酸には、鉄分の吸収を阻害する働きがあります。そのため貧血気味の方や妊娠中は摂取を控えましょう。
妊娠中は様々な栄養をバランス良く摂取する必要があります。糖質の吸収を抑えるギムネマの作用で、胎児が栄養失調になる危険があります。もし体重管理などが必要な場合は、医師や管理栄養士と相談しましょう。
糖尿病の方も注意いしましょう
糖尿病治療を行っている方は、飲み過ぎに注意しましょう。低血糖を起こすおそれがあります。
ギムネマ茶やサプリメントを飲む際は、必ず医師に相談した上で服用しましょう。
エピソード
アーユルヴェーダではギムネマの葉を糖尿病の治療だけでなく、胃腸の改善、便秘、肝臓病などに用いていました。
科学的に解明されていない面もありますが、ギムネマを摂取しすぎると副作用で下痢を起こすので、便秘改善の効果は期待できるでしょう。
ギムネマの葉に含まれるギムネマ酸は、サポニンという植物毒の一種。サポニンは未熟な青い実などに多く含まれる成分で、鳥獣から実を守る働きがあります。
ギムネマ酸は糖質や炭水化物の消化吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ効果があると言われています。
ギムネマの効能はインドでは古くから知られていましたが、科学的なメスを入れたのは19世紀のイギリスです。
ギムネマ酸が、小腸からブドウ糖の吸収を抑える作用があることを突き止めました。
ギムネマの葉をかじると甘みを感じなくなりますが、何故このような作用が起こるのかは解明されていません。
甘みを感じる受容体を一時的にブロックするのではないかと考えられています。
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