青梅の実から搾った汁をじっくり煮詰めて作るエキスを「梅肉エキス」または「梅エキス」と呼び、古くから飲まれていました。
さすが梅の実を凝縮しただけあり、強い酸味が特徴です。
ここでは梅肉エキスの「効果・効能」と「作り方・飲み方」をご紹介します。
梅肉エキスの効果・効能
代表的な効果としては以下が挙げられます。
糖尿病の予防や改善
梅の実には様々な効能がありますが、加熱すると生まれる成分があります。
オレアノール酸という成分で、体内に入るとαーグルコシターゼの生成を阻害します。
αーグルコシターゼは小腸にある酵素で、糖質を吸収する働きがあります。血糖値が上がる理由の一つで、過剰な血糖が体内に残り続ける症状が「糖尿病」です。
糖尿病治療薬は様々な種類がありますが、比較的軽度な患者にはαーグルコシターゼの働きを阻害する薬を処方します。
梅エキスに含まれるオレアノール酸は、この糖尿病治療薬と同じ働きを起こすことが発見されました。
梅製品を食べると糖尿病予防や改善の効果があると言われていました。しかし梅酒などを飲んでも血圧は改善するものの、血糖値に変化はありませんでした。(梅酒には大量の糖分が含まれていることから変化が見られなかったのでしょう)
加熱して作る梅エキスにだけ含まれる効能です。
食中毒の症状改善、下痢止め
梅肉エキスは殺菌作用が強いと言われていますが、これはクエン酸による効果です。
梅肉エキスに大量に含まれるクエン酸が胃の中を強い酸性に傾け、O-157をはじめサルモネラ菌など食中毒の原因となる菌の繁殖を抑える効果があります。ごく薄い濃度(0.5~0.125%)でも十分効果が得られると言われています。
ただしこれは食中毒の原因菌のみを殺菌できる都合の良いものではないので、濃い濃度や飲み過ぎには注意です。
免疫力アップ・ガン予防
梅肉エキスには免疫機能のひとつマクロファージを活性化する効果があり、体外から侵入してくるウイルスを撃退しインフルエンザや風邪などから体を守ります。
またマクロファージはがん細胞の増殖を抑える効果があるとされています。
活性酸素の抑制・除去
活性酸素は増えすぎると体の細胞や遺伝子などを傷つけあらゆる病気の原因の一つとされています。
また老化の原因としてシミやシワをはじめお肌のトラブルの元ともいわれ忌み嫌われています。
梅肉エキスには活性酸素を除去する働きを持つクロロゲン酸・ムメフラールが含まれており、その効果が期待されています。
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梅肉エキスの作り方
梅肉エキス(梅肉エキス)は1000円ほどで購入できますが、自作もできます。必ず、傷のないホーロー鍋で作りましょう。
ステンレスやアルミ鍋だと穴が開きます。
(用意するもの)
- 固い青梅 手に入るだけ(1kgでおおよそ40ccの梅エキスが作れます)
- 陶器、またはセラミック製のおろし器
- ホーロー鍋(土鍋でも可ですが、汚れが取れにくいので注意)
- 木綿布
- 木べら
(手順)
- 青梅はきれいに洗い、水分をふき取ります。
- おろし器で皮ごと果肉をすり下ろししましょう。
- すり下ろした果肉を木綿布に入れ、鍋にこし出します。
- 弱めの中火にかけ、沸騰したらごく弱火にします。
- アクがたくさん出てくるので、ていねいに取り除きながら煮詰めていきます。木べらで時々かき混ぜて、じっくりと時間をかけて煮詰めます。
- 黒く粘り、鍋の底を掻いてスジが引けるようになれば完成です。あら熱を取ってから保存容器に保管しましょう。
- 水分がきちんと抜けていれば、常温で何年でも保存できます。
飲み方
腹痛がひどい時などに、つまようじの先に付けた程度のごく少量の梅肉エキスを舐めてみましょう。食中毒が原因なら、すぐに腹痛が収まってきます。
お湯で割る飲み方もあります。そのままでは「飲みづらい」という方は、はちみつなどと混ぜて梅ジュースにすると飲み易くなります。
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