カリン(花梨)の効能とは★咳止めに効果!はちみつ漬け♪

秋になると、庭先に立派な黄色い実が実っているのをよく見かけます。
とても大きな美味しそうな実なのに、なぜか誰も食べにこない…この不思議な実、カリンは砂糖漬けや薫り付けによく利用されるハーブの一種です。
日本では身近にあるハーブ、カリンはどのような植物なのでしょうか。

特徴

カリン(花梨)はバラ科ナシ亜科カリン属の樹木です。庭木でよく栽培され、細い枝に大きな黄色い実を実らせます。
実はとても良い薫りがしますが、渋味が強いため、そのまま食べることはできません。加熱することで渋味は抜けるため、砂糖漬けにする前に加熱処理します。
原産は中国東部。日本へは平安時代に弘法大師がもたらしたという言い伝えがあります。

カリンは高く育つため、栽培はある程度大きな庭のある家庭に限れます。
カリンは短い枝に花を咲かせ、長い枝に葉を付ける性質があります。放っておくとどんどん枝を伸ばし、葉しか付けなくなるので、12~翌2月上旬までに剪定を行います。
長く伸びる枝を1/3ほどカットし、全体を整えましょう。あまりバッサリ切ると木が痛んで花を咲かせなくなるので、様子を見ながら無理のない範囲で剪定します。
3~5月に白やピンク、紫色の花を咲かせます。人工受粉をすると、実の付きが良くなります。

実を収穫したいなら、2月と8月に、リンとカリを中心にした肥料を与えます。油糟に魚粉を混ぜた天然肥料でも元気に育ちます。
基本的に水まきは必要ないと言われていますが、乾燥には弱いため、渇水の時期はたっぷり水を与えましょう。
害虫が付きやすいので、薬剤散布を行うとより安心です。
実は11月ごろに収穫できます。

エピソード

中国原産の植物で、中医学では欠かせない生薬です。
現在の中医学や漢方の原型、「本草網目」には咳止め、鎮痛作用、利尿効果などがあると記載されています。
現在でもカリンエキスは咳止めに使われることが多く、のど飴によく添加されています。

丈夫で花や葉が美しく、実も利用できるため、日本では庭木として人気がありました。江戸時代から庶民の栽培が始まり、今でも古い民家やマンションの敷地で、大きな実を下げているカリンをよく見かけます。
昭和にはカリン酒が喉に良いという触れ込みで流行し、ますます認知度が上がりました。

大きな樹木になるため、現在は都会を中心に庭木にする習慣は廃れつつあります。

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効能・効果

カリンにはビタミンC,タンニン、ペクチン、カリウム、クエン酸などが豊富に含まれています。
果物として優れた栄養価がありますが、固くて渋いため、とても生では食べられません。
石細胞という固い細胞のため、果物ナイフで切ることもできないほど固いのが特徴です。

カリンに含まれるアミグダバリンという成分が、喉の炎症を鎮めます。カリンエキスやカリン酒を少量飲むことで、喉の腫れを抑える効果が期待できます。
感染症予防、爽やかな薫りによるストレス解消、美肌効果、高血圧予防、疲労回復、むくみ取り、便秘解消、体を暖める効果もあると考えられています。

利用方法と注意

カリンはそのままでは食べられませんが、果実酒やはちみつ漬けにすると美味しく頂けます。
10月ごろからカリンの実が出回ります。簡単にできる、かりんの蜂蜜漬けを作ってみましょう。

カリンのはちみつ漬け

カリン 2個
はちみつ 700グラム程度

梅酒を漬ける大きめの瓶を用意し、念入りに消毒します。
カリンはできるだけ薄めに切り、種を取り出します。
種をお茶パックに入れ、実とともに濃い塩水に30分ほど漬けて灰汁抜きをします。
灰汁抜きが終わったら瓶に入れ、そこにはちみつを投入し、カリンが浸かるだけ入れます。

時々かき混ぜて均一に慣らしていくと、徐々にドロリとしたはちみつと、カリンのエキスが混ざり水のようになります。
2ヶ月ほどで完成です。種や実は食べられないため取り除くこともありますが、そのままで保存する場合もあります。
水や炭酸水で割っても、おいしく飲めます。

はちみつに漬け込むことで、種や実の咳止め成分、アミダグリンが薬効成分に変化します。
アミダグリンは青酸のため、そのまま食べると中毒を起こしてしまいます。はちみつに漬け込むことで毒性が薬効性に変化すると言われ、咳止めや喉の炎症緩和の薬として活用できます。

市販の飴にも添加されているほど一般的なので、妊婦さんでも安心して飲めると言われます。しかし有効成分は青酸が含まれているため、念のため産婦人科医に相談しましょう。

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