桑の実(マルベリー)の栄養と効能。育て方やジャムの作り方

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桑の実(くわのみ)は6月ごろに実る果実です。
キイチゴのように小さな粒が集まった実で、未成熟のころは赤く、熟すと黒に近い紫色に変化します。
桑は、かつては養蚕には必要不可欠な樹木でした。桑の実はどのような効果あるのでしょうか。

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特徴

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バラ目クワ科クワ属の落葉樹です。
たくさんの種類がある上に交雑しやすく、混血種まで含めると無数の種類があります。
桑の実は英語でマルベリー、フランス語でミュールと呼びます。
日本で流通する桑の実は、ジャムや冷凍品など加工品が多いのが特徴です。(旬の時期には、道の駅などの直販店に日本産の生のマルベリーが並ぶこともあります)

桑の実の外見は「細長いキイチゴ」のような姿です。キイチゴのように逆三角型をした桑の実もあります。
粒がいくつか連なり、小さな葡萄のようにも見えます。

桑の実の味は個性が強く、ほのかに甘いものから砂糖菓子のように甘いものまで様々。糖度は8~25%と、品種によってばらつきがあります。
完熟すると酸っぱさは消え、ブルーベリーに比べると甘みを感じやすい実です。

効果・効能

桑の実には多種多様の栄養が含まれ、健康促進に役立ちます。
特に抗酸化作用が強く、赤色アントシアニンというポリフェノールがたっぷり含まれています。桑の実の濃い色はアントシアニンの色です。
抗酸化作作用は体内の活性酸素を減らし、老化や病気を退けると言われています。

特に豊富な栄養素はビタミンCで、100gあたり33mgも含まれています。これはグレープフルーツなどに匹敵する含有量で、生食できる機会があればぜひ食べたいフルーツです。
(ビタミンCは加熱で破壊されるので、加工品には含まれていません)
ビタミンCは美肌効果や免疫力向上、鉄の吸収を促進する働きがあります。
カリウムも豊富で、100gあたり194mgも含まれています。これは果物の中では特に高い含有量です。
カリウムは体内の過剰なナトリウムを排出する作用があります。高血圧などの症状を改善する効果が期待されます。

利用方法と注意

桑の実は柔らかく、色が濃いのが特徴です。服を汚しやすく、付着するとなかなか取れません。
食べる際は気をつけましょう。

一度にたくさん採取できるわりには日持ちしないので、ジャムなどに加工するのがお勧めです。
マルベリーのジャムは酸味が少ないので、砂糖は控えめのほうが素材の味が楽しめます。
しかし、砂糖が少なすぎると長期保存できません。出来るだけ早めに食べ切りましょう。

桑の実(マルベリー)ジャムの作り方

  • 桑の実 150~300gくらい
  • 砂糖 桑の実の25%くらい(好みで調整します)
  • レモン汁 少々

桑の実はしっかり水洗いし、ヘタと汚れを取ります。
水気を拭き取り、ボウルに移したら上から砂糖を入れます。

1時間ほど経つと、砂糖の浸透圧で果汁が溢れ出ます。
汁ごと鍋に入れ、レモン汁を入れて弱火で煮込みます。
好みの濃度になれば火を止め、粗熱が取れたら熱湯消毒した瓶などの保存容器に入れて冷蔵します。

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栽培について

桑は雌雄異体の樹木です。雌雄同体の品種もありますが、違う品種を2本以上植えると確実な収穫が期待できます。
寒さに強く、マイナス20度くらいまでなら耐えられるほど。植え付けは10月から翌4月ごろの、寒い時期に行います。
桑はとても背が高くなるため、出来れば園芸用の小さな品種を育てるほうが無難です。

育て方

桑の実(マルベリー)の育て方は、果樹の中では簡単な部類です。
日当たりが良く、たっぷりの水を好みます。鉢植えの場合は、乾いたら水をしっかり与えましょう。
地植えの場合は、晴天が続いた時に与える程度で十分です。
どんどん枝葉を伸ばすので、剪定は欠かせません。年に2回、実の収穫後と1~2月ごろに枝を切っていきましょう。
出来れば高さは50~60cmくらいに抑えておくほうが、手入れが楽です。
桑は強い木なので、どこを切ってもかまいません。ただ、桑の実は新しく伸びた枝に付くので、出来るだけ古い枝、枯れ枝を選んで剪定します。
放っておくと手が着けられなくなるほど巨大化するので、剪定は必ず行いましょう。

桑の実は4~5月に花を咲かせ、1~2ヶ月かけて実を付けます。風媒花のため、受粉は必要ありません。
未熟な桑の実は白く、徐々に薄い赤、紫がかった黒に変化します。
実の数が多すぎると木が弱るため、1枝に2~3個程度に摘果します。
摘果した未熟な桑の実は、ジャムやハーブなどに加工できます。
6月ごろに完熟するので、完熟したものから収穫しましょう。
一度にたくさん収穫でき、しかも日持ちがしないので、桑の実酒やジャムなどに加工すると良いでしょう。
触感は種が少なく、他のキイチゴに比べると食べやすい実です。

害虫は毛虫など蛾の幼虫。カイコガの餌として有名な植物なので、他の蛾も好む傾向があります。
比較的害虫には強い樹木ですが、蛾の幼虫だけは気をつけて駆除しましょう。
蛾の幼虫は桑の実も大好物。毛が桑の実に付着することがあるので、食べる前にはしっかり水洗いしましょう。

エピソード

カイコ業

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日本の桑の木は、かつてはカイコガの餌として非常に需要が高い樹木でした。
戦前までは日本各地に桑畑が広がり、地図記号にも桑畑の記号が残っています。
しかし、現在は中国などの養蚕に押され、ほとんど廃れてしまいました。現在は皇室行事や群馬県の富岡製糸場などで僅かに行われるだけになりました。
しかし養蚕の技術は冬虫夏草の栽培などに転用され、現在も形を変えて存続しています。

群馬県の生糸(絹糸)製造は非常に有名で、「機の音、製糸の煙、桑の海」と謡われていました。富岡製糸場や上州の風になびく桑畑を謡ったもので、いかに多くの桑が植わっていたかが分かります。
カイコガは昼も夜も凄まじい勢いで桑の葉を食べ続け、カイコガが桑をかじる音は辺り一面に響いたと言われています。
やがてカイコガは繭を作り、それを茹でて糸を紡ぎます。ごくわずかに残された繭から真っ白な成虫が生まれ、次世代にたくさんの卵を残します。
群馬県ではその卵を特殊な方法で保存することで、一年中カイコガを孵化、育成することに成功しました。

生薬やハーブティーにも

桑は漢方薬の生薬にもなります。ログワという品種の根皮は桑白皮(そうはくひ)と呼ばれ、日本薬局方にも登録されています。
激しい咳を鎮める「五虎湯(ごことう)」などに含まれ、利尿作用や血圧を下げる効果、解熱、咳を鎮める、血糖値を下げる効能があると言われています。
桑の葉は乾燥させて、ハーブティーにすることができます。葉にも血糖値を下げる効果があると言われ、民間治療で利用されます。
マルベリーもハーブティーとして利用できます。

どどめ色の語源

汚れたような黒色を「どどめ色」などと言うことがありますが、語源は桑の熟した実の色です。
「どどめ」は、桑の実の別名です。

 

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