小さなころ、カレーやパスタの中に葉っぱが入ってる!と驚いたことはあるでしょうか。
これはローリエ(月桂樹)の葉で、ハーブの一種です。爽やかな薫りと風味付けには欠かせません。
非常に元気のある植物で、観葉植物として楽しむこともできます。ローリエの育て方と活用法を見てみましょう。
特徴
ローリエはクスノキ科ゲッケイジュ属の常緑高木です。常緑樹なので一年中葉を付け、いつでも採取できます。
原産地は地中海沿岸で、雌雄に分かれています。雌の木はオリーブのような実を付けます。
葉と実には薬効成分が含まれますが、日本では香辛料の一種として使うことが大半です。
育て方
とても頑丈な木で、日当たりが良ければすくすく成長します。庭木や街路樹、公園の樹木などに活用されています。
日本では、宮城県より南の地域なら育てることができます。
ローリエは枝の伸びが大変早く、年に2~3回ほど刈り込む必要があります。放っておくと形がどんどん崩れてしまうので、剪定の管理は欠かせません。
刈り込みは4月ごろ、10~11月ごろに行うのが一般的です。
少々派手に刈り込んでも生育には影響しないので、剪定初心者の方の練習には最適です。適度に枝を切り、中まで風通しを良くすると害虫避けになります。
ただし、苗のうちはそれなりに弱いので、小さなうちは葉を採取することは控えましょう。
地中海気候の植物なので、一度根付けば、基本的に水やりは不要です。渇水の時期に適時与える程度で良いとされています。
よく育つので肥料はしっかり与えましょう。1~2月ごろと、7月下旬~9月に肥料を与えます。植え付け時期は4月下旬から5月上旬ごろ。
3月下旬から花を咲かせますが、雌雄の株がなければ結実できません。
頑丈な植物ですが害虫被害は多く、幹に穴を開けて枯らしてしまうテッポウムシ、幹にへばりつくカイガラムシなど、厄介な害虫に狙われがち。よく観察して、適時駆除していきましょう。
エピソード
古代オリンピアの絵で、優勝者がローリエの冠をかぶる姿はあまりにも有名です。
古代ギリシャでは太陽神アポロンの木として神聖視され、ローリエの若葉と枝で作る「月桂冠」は、勝利と栄光のシンボルと考えられていました。
そのため、月桂冠を贈られるのは最高の栄誉で、一流の芸能人、アスリート、詩人に贈られていました。特に、月桂冠を得た詩人は、桂冠詩人と呼ばれ尊敬されていました。
学名のlaurusは「誉め讃える」という意味です。
別名
ローリエという名前は英語で、ローレルはフランス語です。どちらも正しい名称で、違いはありません。
英語では別名、ベイリーブスとも言われます。和名はゲッケイジュ(月桂樹)。
代用品
ローリエの代用で、ローズマリーやタイム、パセリ、バジル、ディルなどを使うこともあります。ブラックペッパー、ナツメグで代用することも。
しかし、ローリエの上品な薫りは、やはりローリエにしか出せません。緊急でない限りは、できるだけ使いたいですね。
SPONSORED LINK
効果・効能
ローリエの葉には、シネオールという薫り成分が含まれています。ほかにもリナロール、オイゲノール、ミルセンなども含まれています。
渋み成分、サポニンの一種コスチュノリドには胃液分泌の促進、胃の排出機能などがあるとされています。
唾液を分泌し、食欲増進させる効果、神経痛の軽減、肝臓強化、軽い麻酔作用もあるという説も。
血管拡張作用もあるという研究報告もあります。
使い方と注意
生の葉を使うと、苦みと青臭さが強いため、できれば乾燥させた葉を使います。
剪定が終わったローリエから古い葉を摘み、(古い葉のほうが薫りが良いため)天日で乾燥させるだけで作れます。
市販品もありますが、自作のローリエの薫りはとても強く、味も絶品です。道の駅などで、農家の方が販売していることもあります。
長時間煮ると苦みが出ることも、適当なところで引き上げるため、葉はできるだけ切らずに入れます。
分離しない程度に折って入れると、さらに薫りが溶け出します。
カレーやロールキャベツのスープに、パスタの具を煮込むときに使用します。
ピクルスの香辛料に使うことも。ここでは牛肉パスタ、ボロネーゼ風の作り方をご紹介します。
「牛肉パスタ(ボロネーゼ風) 4人分」
- 牛肉 200~300g
- たまねぎ 大1
- ローリエ 2枚
- オレガノ 3gほど
- 無塩トマトジュース 750ml(またはトマト缶1つ)
- 塩 小さじ1/2~1
- オリーブオイル 適量
オリーブオイルを鍋に入れ、たまねぎのみじん切りを炒めます。さらに牛肉を焼き、半分ほど火が通ったところでトマトジュースを入れ、ローリエとオレガノを入れます。
時々かき混ぜながら、弱火で30分ほど混ぜると完成です。
最後に塩を入れ、数分ほど煮込めば完成です。
パスタの具だけでなく、ごはんに添えても美味しく食べられます。
コメントを残す