青い皮と爽やかな酸味、後から来る軽い苦みはライム最大の特徴です。
カクテルに使うことも多く、大人の味というイメージも。
レモンに比べ、国産はまだ少なく輸入が大半です。
ライムには柑橘類らしく、様々な栄養や効能が期待できます。
ライムとは、どのような植物なのでしょうか。
特徴
ライムは、ミカン科ミカン属の常緑樹です。
樹高は2~3メートルに達することも。年に3度花を咲かせます。
緑色のまま収穫し、絞ってジュースやカクテルの原料にします。皮を剥いて酒に漬けた果実酒もあります。
インドが原産地で、もとは熱帯の植物です。日本には、メキシコなどから輸入されたものが流通しています。
レモンよりやや小降りのタヒチライム、ペルシアライム、さらに小さなメキシカンライム、キーライムがあります。
タヒチライムは寒さに強いため日本でも栽培が可能。園芸店で苗が入手できます。
柑橘類のため、茎には鋭いトゲがあり、白い花を咲かせます。
タヒチライムは、たくさん花を咲かせますが実をなかなか付けない特徴があります。タヒチライムは三倍体という特殊な遺伝子を持つため、成長しやすい代わりに子孫を残しにくい性質があるからです。
効果・効能
ライムには抗酸化作用のあるビタミンC、クエン酸がたっぷり含まれています。
若々しい体を作り、体の疲れを吹き飛ばす作用が期待できます。水にライムの絞り汁を入れるだけでも簡単に摂取できます。
ポリフェノールの一種、ヘスペリジン、エリオシトリンという成分も豊富。
ヘスペリジンはビタミンPという別名があり、血流を改善し、血管の柔軟性を保ちます。
コレステロール値の改善や、冷えの解消、花粉症の軽減に役立つという説も。
消炎作用もあり、抗アレルギーやリウマチの改善にも役立つという研究結果もあります。
レモンにも含まれる、リモネンも豊富。
糖質代謝を進め、疲労回復の効果があるビタミンB1、粘膜を保護するビタミンB2やナイアシン、動脈硬化を予防すると言われるパントテン酸も含まれています。
他には細胞分裂を促進する葉酸、余分なナトリウムを排出するカリウム、骨の元になるカルシウムやリン、マグネシウムも含んでいます。
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利用方法と注意
ライムは未熟な青い実を使います。熟すとせっかくの薫りが薄れてしまうため、家庭菜園で育てている人は早めに収穫しましょう。
ライムは他の柑橘にはない独特の風味がありますが、近年、不作でますます入手しづらくなっています。
仕事で使う方は国産ライムを入手する販路を作ったほうが良いかもしれません。
国産は皮が黄色く色づいた「ゴールデンライム」が流通することもあります。外見はレモンにそっくりです。
ライムはシロップ、リキュールの原料に、ソーダ水に絞ってライムソーダなど、様々な使い方ができます。
妊婦さんのつわりにも、柑橘の爽やかな薫りは効果的。
出来れば国産ライムを使うと安心です。
育て方
ライムは熱帯の植物なので、寒さが苦手。
しかしタヒチライムは比較的寒さに強く、日本の気候にも耐えられる品種です。
育て方は鉢植え、庭植えどちらも可能ですが、寒い地域は鉢植えにして、冬は暖かい場所に避難させると安心。
関東より北の地域で地植えにする際は、冬に根元に腐葉土やワラなどを敷いて保温してあげましょう。
3~4月が植え付け期間で、水はけの良い土を用意します。
日なたを好みますが、半日陰でも育ちます。
植え付けしたら、苗の高さを1/3ほどに切り詰めると、枝をたくさん伸ばしてくれます。
水を好むため、水切れを起こさないように心がけましょう。特に鉢植えなら、5~11月は一日2回与えると良いでしょう。
地植えは乾燥しない限りは水やりをしなくても問題ないとされています。
肥料は3月、6月、10~11月の3回、有機肥料や固形肥料、化成肥料などを与えます。
3~4月に剪定を行い、樹の形を整えます。花や実が付きやすくなる効果も。
実が収穫できるのは、植え付けてから3年以降です。
ライムは花を付けても実を付けないものが多く、自分自身で摘果を行っています。
そのため、人間が摘果する必要がありません。
柑橘類の中では、比較的手間がかからない植物です。
エピソード
ライムはレモンと同じく、大航海時代の船内でビタミンC不足による壊血病対策に用いられていました。
ライムのジュースはレモンジュースと同じく、ビタミンCが豊富です。キャベツの発酵食品、ザワークラウトとともに大いに活用されました。
近年、ライムは不作傾向にあります。
ライムの主要生産地、メキシコでは2014年に記録的な不作になり、価格が暴騰したことがあります。
天候の悪化と、マフィア組織の流通妨害などが原因と言われています。
ライムはカクテルなど、酒の原料に欠かせません。バーテンダーにとっては死活問題ですが、代用品としてレモン、すだち、柚、かぼすなどを使い分けて乗り切るケースもあります。
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